キャリアコンサルタント
コンサルタントメッセージ
数年前、横浜市のとある総合病院の内科外来を受診した。
担当は若い男性の先生。
診断名を告げられたのに続き「どうしましょうか?」と訊かれた。
「はぁ?」
「いや、それは先生が決めて下さい。治療法が複数あるならそれぞれ教えてください。」
「先生が良いと思う方法で治療してください。」とお願いした。
なぜそういう事を患者に訊くのか...
最近、世の中に広く生殖・増殖している「クレーマー」がいるからだ。
私は職業柄、患者に「どうしましょうか?」と訊いた真意は分かるが、一般の患者は意味が分からないだろう。
そして、「あの先生大丈夫か?」と不安がるだろう。
「この病院はあかん!」となるかもしれない。
20数年前になるが、私が製薬会社MRをしていた頃、お世話になった先生がいた。
最初は怖い先生だった。
人間関係ができて信頼されてきた頃、その先生に言われたことがある。
「いいか、俺達医者は決して人間的に偉い訳ではない。だけど患者を治す為に時には名医の仮面を被らなければならないんだ」と。
「それが一見、威張っているかの如く見られることもあるだろうが、ある種の威厳が無ければ患者は言うことを聴かないし治るものも治らない」
「だから俺は患者の痛いところに手を当てるだけで治す自信がある!」
...なるほど!そういう事か..と納得したのを覚えている。
中学生の頃、バスケで「突き指」をして近所の整形外科医院に罹った。
そこに罹ると早く治る、という近所でも評判の良い医院だった。
ここの院長先生もヒゲのおっかない先生だった。
患部を強く曲げたり伸ばしたりするのである..当然痛い。
「痛い!痛い!!」
「こんなもん痛くない!男なら我慢しろ!」と。
結果、自分でもびっくりする位早く治った。
同じ部活の友達に「あそこは早く治る」と宣伝したものだ。
今なら、前者は「医者のくせに非科学的な事を言うな」となるし、後者は親が怒鳴り込んで来て悪い評判を吹聴されるといったところだろう。
しかし、少々怖くても、口が乱暴でも構わない。
とにかく病気や怪我を治してほしいのである。
それが医師の仕事である。
医師が診療の場で一般人と同じである必要など全く無い、偉くて結構。
医療はサービス業である必要など無いのである。
患者を「様」付けで呼ぶ必要は無い。
そんな風潮が患者の妙な「顧客意識」に繋がる。
「私はお客様でサービスの受益者だ」と思っているのである。
悪しき平等主義が医師も患者も同じだという論理を生み出し、先生を敬う心が無くなり→言うことを聴かない→その結果、治療効果が上がらない「治るものも治らない」となる。
結局、患者自身が「損」をしているのである。
本末転倒とはこのことだ。
ごちゃごちゃ言う輩はどこにでもいるだろう。
でも、病気や怪我で苦しんでいる人を助けるんだ..という夢があって医学部に進まれた先生方は、その「夢」に自信を持って、そういう「夢」を描いた自分に自信を持って頂きたい。
仮に自信が無くても顔には出さず「私に任せてください、一緒に治しましょう」という雰囲気を醸し出して、デーンとしていて頂きたいものです。

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