医師インタビュー企画 Vol.11 岡田正人
人間だから間違っても仕方ないと思わないこと。医師になるとは、患者さんから信頼を得るということです。だから、その患者さんの信頼を裏切らないように、常に『自分は間違っているのでは』と思って、細心の注意を払いながら患者さんを診なければいけません。

岡田正人 Masato Okada
学校法人聖路加国際大学
聖路加国際病院アレルギー・膠原病科部長

岡田正人がブレないわけ

vol11_1「日本の臨床はまだまだこれから」―。そう評されるほど未成熟だったアレルギー・膠原病領域を極めるために、単身でアメリカへ渡ってから25年。現在、聖路加国際病院(東京都中央区)でアレルギー・膠原病科部長として診療・後進指導に携わるのが岡田正人だ。どんな状況でも怯まず、キャリアを突き進んできた背景にある哲学とは-。

 

「身一つでどこまで患者に寄り添えるか」

日本では、アレルギー疾患を持つ患者の多くを耳鼻科、皮膚科、呼吸器科など、臓器別診療科が分担して診療してきたのに対し、アメリカでは、アレルギーという症状をベースに臓器・年齢を問わず患者に対応する。アメリカでアレルギー・膠原病領域の治療に携わってきた岡田は、そのやりがいを、次のように表現する。

「アレルギー・膠原病などの自己免疫疾患は、根治療法が確立されておらず、多くの患者さんは、病気を抱えたまま生き続けなければいけません。

vol11_2そんな患者さんの容態を左右するのは、最新治療に頼るというよりは、むしろ医師が患者さんに『身一つでどこまで細かくフォローできるか』です。疾患がすぐに生死に関わる病態でなくても、患者さんのQOLに与える影響は少なくありません。医学的根拠に基づいて説明し、生活習慣の改善も併せて薬を減らし、副作用を少なくする方法を、時間を掛けて伝えます。ここは医師によって対応の差が出やすいところだと思います。

また、病態の解明がなされていない分、治療法は日々アップデートされていきます。そのため、医師が最先端の知識を身に付けているほど、患者さんに提案できる治療選択肢は拡大します。医師がどこまで親身に患者さんに向き合っていくかが、患者さんの人生に影響を及ぼしやすいのです。

こういった医師の影響力の強さがこの領域の難しさであり、魅力でもあると思います」

そんな魅力を感じてか、「特に膠原病の領域を志す医師は、最近になって増えてきた」というのが岡田の実感だ。岡田がこの自己免疫系の領域でキャリアを歩み始めた25年前から、様相は大きく変わったと話す。

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