医師の転職、愛知県の年収相場や動向は?

日本列島の中央部に位置する愛知県。名古屋市を中心に都市機能、医療機能が充実している一方、一部では医師の偏在が問題視されており、同じ県内であっても医療需要はさまざまだ。今回はそんな愛知県で医師が転職する際に知っておきたいポイントを解説する。

【目次】

愛知県の病院・クリニックの特徴

愛知県の医療提供体制の特徴は、名古屋市を中心に医療資源が集中していること。

愛知県には11つの医療圏があり323施設の病院(全国8位)と5298施設のクリニック(全国4位)が位置しているが、全体のおよそ4割の病院が名古屋医療圏に集中しており、ついで岡崎医療圏、豊橋医療圏に1割程度ずつ医療機関が位置している。各医療圏に急性期の医療機関があることから地域完結型の医療体制が整っているが、愛知県の医療計画では、愛知県内の医師偏在を問題視しており、とりわけ離島、東三河北部並びに西三河北部医療圏がその代表的地域としているほか、東三河南部や知多半島医療圏などの一部にも医師が足りていない状況だとしている。

先述の通り病院数の面では全国上位となっているが、医師数は1万5927人で人口10万人あたりに換算すると202.1人(全国38位)と少ない。岐阜県や三重県からも患者は訪れることから、医師一人当たりの症例は多く、幅広いとも言われる。

なお愛知県内で医学部を持つのは名古屋大学、名古屋市立大学、愛知医科大学、藤田保健衛生大学。日本医師会の『病院における必要医師数調査結果』(2015年)によると、愛知県の医療機関のうち大学医局から派遣を受けている病院の割合は84.9%と、全国平均(75.5%)と比べると高い結果となっている。

愛知県の医師の年収や待遇

エムスリーキャリアの過去転職者のデータによると、愛知県に勤務している医師の平均年収は1490万円。全国平均(1496万円)とおおむね同水準となっている。

前述の通り、離島、東三河北部並びに西三河北部医療圏は医師不足が顕著なほか、東三河南部や知多半島医療圏などの一部にも医師が足りていない状況。科目による受給バランスの相違はあれ、これらの地域では年収が高くなる可能性はある。

愛知県で働く医師の年収

愛知県の医師にとっての暮らしやすさは?

愛知県は大きく分けて名古屋がある都市機能の拠点と言える「尾張」、トヨタグループの本社があり工場なども多く存在する西三河、静岡県浜松市に隣接している東三河の3つに分けられる。名古屋市内は地下鉄が発達しているが、県全体を見回すと車社会であり、自動車保有件数は東京都をおさえて全国1位となっている。

なお、東海高校、滝高校、南山高校など、医学部進学者実績を持つ高校も豊富。旭丘高校や、岡崎高校など、公立高校の進学実績も強く、教育体制は整っていると言える。

愛知県の医療機関で働く医師の口コミ

愛知県で働く医師に、「愛知県で働こうと思った理由」と「勤務地としての愛知県の魅力」について聞いた結果は以下の通り。

  • 豊田市の近くでトヨタ関連の患者さんが多い。リハ医としての勤務なので復職に向けたリハも行っている。しっかりした事業所が多く、やりやすい。また勤務病院が医者の雑務を減らす事を積極的にやっており働きやすい。車があれば居住地としても住みやすい。しっかりした企業が多そうで患者さんの診療もやりやすい。ただ保険診療業務が細かくそれはそれで長短あり。しかしメディカルクラークがいれば全然問題とならない。お勧めです。(30代、腎臓内科(人工透析))
  • 比較的便利でストレスが少ない。融通の効く職場。愛知県は住みやすいとは思いますが、道路事情は良くなく、交通事故に気をつけたいと思っています。(40代、腎臓内科)
  • 地方の市民病院で二次救急対応であるが医師不足で待機、緊急呼出し等からこの先もずっと逃れられないため。(40代、一般内科)
  • 住めば都。慣れんと仕方がないね。文化の違いはある程度時間で解決できる。(30代、口腔外科)
  • アクセスがよいことと物価がそれほど高くない。人が東京ほど多くない。(30代、一般内科)
  • 都会のお給料は田舎よりも安いですが、故郷なので満足してます。(40代、泌尿器科)
  • 将来の地震のリスクは高いが、気候、環境から満足している。(30代、全科)

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    【参考資料】

  • 2016年『医療施設(動態)調査・病院報告の概況』(厚生労働省)
  • 2014年『医師・歯科医師・薬剤師調査』(厚生労働省)
  • 2015 年『病院における必要医師数調査結果』(日本医師会総合政策研究機構)
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