女医に立ち塞がる「2人目の子」の壁―女医の「2人目」問題 Vol.1

Yu(ゆう)

私の親しい女医仲間や女医に限らずとも、仕事を持つ女友達の間では、「2人目どうする?」という話題が顔を合わせるたびに出てきます。自分の身の回りだけでもこれだけありふれているのだから、全国的にみたらかなりの割合で「2人目」について悩んだり考えたりしている女性がいるということではないでしょうか。私自身も1人の子どもを持ち、今すぐではないにしろ、近しい将来2人目も考えている当事者ですので、自分の考えや、周囲の声も織り交ぜながら、読者の皆様と一緒に「2人目問題」についての事柄を整理していければ幸いです。

1人目出産時には「2人目なんて無理」と思ったものの…

「理想的な子どもの人数」は家庭によってもさまざま。「2人目の子どもがほしい!」という方もいらっしゃるでしょうし、2人目になかなか踏み切れないという方も、2人目妊活しているにもかかわらずなかなかうまくいかないという方もいらっしゃることと思います。結婚するときから子供は〇人!と決めている人、自分も兄弟と一緒に育ってきてよかったから子供にも兄弟がほしいと思う人など、挙げ始めたらキリがないくらいです。中には、自分の意志ではなく、旦那さんや、両親もしくは義両親が〇人子供を産んでほしい、という家庭もあるかもしれません。

いろんな複雑な想いを抱きつつも、日々心が右往左往しているうちに1年、2年とあっという間に過ぎていってしまうのが普通なのではないでしょうか。しかも、既に1人目の子供がいるわけですから、なおさらでしょう。1人目の子どもを育てながら、仕事のことも家庭のことも考えながらの「2人目」という選択は大変なことかもしれません。

「2人目の子どもができたらうれしいような気もするけれど、なかなか踏ん切りがつかない」。少し前まで、わたし自身もそんなひとりでした。1人目を産む前、産まれて直後までは、「もう十分」、「2人も産むなんて考えられない」とすら思っていました…が、1人目を育てている中で、だんだんと「子育ては大変だけど可愛いし、もう1人いたら楽しそう!」なんて思うようになっていったのです。それに、我が家の場合、旦那も外国人で、旦那の親戚はほとんど日本にいませんから、一人っ子だと、私たち夫婦にもしものことがあったとき孤独になってしまう、という心配も出てきて、少なくとももう1人助け合える兄弟姉妹がいたほうがいいのでは!?ということで「2人目を望む」結論に至りました。

とはいえ、自分が医師であるということを踏まえると、「2人目が欲しい」という思いも何か特別な意味を持つようにも思います。子どもを持つことをメリット・デメリットというふうに「損得」で考える、というのは好ましい表現ではないでしょう。一方で、産むことで得られること、医師として逆に諦めざるをえないこと、避けられない事柄があることは事実です。今回は「2人目を産むことでどんなことが起こり得るのか」と表現し、医師が2人目の子どもを持つことの意味について、もう少し深ぼって考えたいと思います。

新しい命の誕生はおめでたい以外の何物でもない。その一方で…

2人目を「産む」ということは、2人目を「妊娠」している期間も同時にあるということになります。2人目を望んで、妊娠・出産するわけですから、とても喜ばしいし、1人目の子どもにとっても、妹や弟ができるわくわくを感じさせてあげられるはずです。そして教えなくても自然と「自分はお兄ちゃん・お姉ちゃんである」という自覚も芽生えてくる子もいるでしょう。このように、家族単位でみると、新しい命の誕生はおめでたい以外の何物でもありません。

しかし、一歩外に目を向けてみると、仕事復帰、2人の乳幼児を同時に育てていく、妊娠中だって100%順調とは限らない…などの不安要素がごろごろ転がっている。私も自分の仕事と勉強が落ち着き次第もう1人産みたいと思っていますが、こういった不安を感じないといったら嘘になります。

2人目を産むタイミングも確かに難しいですが、それ以上に産まれてからの子育てと家庭と仕事のやり繰り、旦那がどこまで役に立つのか(笑)、どこまで調整する気があるのか、職場の融通がどこまで利かせられるのか…全てではないですが、これらが2人目を産むことで起こり得ることでしょう。
わたし自身、つい先日も子どもが急な発熱と鼻水で、水分も飲めなくなってしまって夜間救急に駆け込み、翌日も保育園はお休みしなければならないために急遽実家の母に子どものお世話をお願いして…ということがありました。小さい子供がいるご家庭なら、必ず何度か経験がありますよね?こういうことがあると、「子どもが2人になったら こういう緊急事態が2倍になるということか…!」なんて、ちょっと気が重たくなることもあります。

そして、1つずつ解決策を産む前から考えたりするわけですが、私の知る限り、妻(女性)が一生懸命あれこれ考えているにもかかわらず、旦那(男性)は「まあ、どうにかなるでしょ」「早く2人目産んでよ」など、どこか他人事のような発言が目立ちますから、それに対して苛立ちを隠せない人もおそらくたくさんいることでしょう(笑)。仕事がどうとか、育児が大変、といった不安要素を、完全に解決できなかったとしても、世の旦那さんたちが、自分の子供と家族に重きを置いて自分事として接してくれさえすれば、どこか気持ちも落ち着いて、こんな不安は強く感じなくて済むのかもしれませんね。

【著者プロフィール】
Yu(ゆう)
医学部卒業後、某医局で麻酔科認定医取得。 30代で国際結婚、1児の母。
現在は麻酔科・内科医として働きながら、 自身の経験を活かした執筆活動も行う。

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