実録! 1億円の開業資金の集め方―開業までのロードマップ(3)

開業医T

わたしは人工透析クリニックの開業医をしています。人工透析に必要となる設備は多いため、一般的なクリニックよりも開業前に必要な資金が多くなる傾向があります。今回は資金調達、設計・内装についてお伝えしますが、あくまで一例であることを念頭に置いていただければと思います。

【著者プロフィール】
専門:腎臓内科
開業時期:2000年前半
クリニック形態:開業11年目に個人診療所→医療法人化
クリニック収益:約1600万円/月
現在の月収:約120万円(手取り)
クリニックの家賃:約85万円
スタッフ:非常勤医1名、看護師3名、臨床工学士(血液透析)2名、事務1名、送迎スタッフ2名

1億円の資金調達をどのように行ったか

開業したのが20年近く前になるため、正確なところははっきりしていませんが、開業にあたり必要な資金は運転費用なども合わせて、1億円程度になった覚えがあります。「こんなに必要になるのか」と冷や汗が流れましたね…。わたしは自分の貯蓄から約1000万円、金融機関から3000万円ほど、残りは親族から借りて、極力リスクを減らす資金調達の方法を選びました。

融資を受けた金融機関は、日本政策金融公庫です。当時は最大3000万円まで、日本政策金融公庫から無利子、無担保で借り入れを受けることができました。これは新創業融資制度というもので、わたしはそれを活用しました。自分の貯蓄からあまり初期費用を出したくなかったのですが、この制度を利用するには創業資金の10%ほどが自己資金である必要があるため、やむをえず自己資金を用意しました。日本政策金融公庫の場合、銀行から借りるよりも金利ははるかに少なくなります。開業当初の固定費は少ないに越したことはないため、融資を受ける必要がある場合にはおすすめです。

こだわりがはっきりわかれる、設計・内装

設計・内装に関しては、ほとんど携わりませんでした。開業を決心した時点で、ある程度の人工透析希望者が存在したため、設計内装はあまり気にしていなかったのです。クリニックによっては、代表者のこだわりが設計・内装に反映されるところもあると思います。しかし、わたしは最低限の清潔感があればよいと考えていたため、イメージだけ伝えて、基本的には施工会社に一任しました。

小児科や婦人科などのクリニックになると、設計や内装はクリニックの経営に関わる大きなファクターになると思います。小児科は子どもがリラックスしたり楽しめたりするようになるべく明るい内装が必要で、婦人科などはプライバシーを重視した内装が必要になると考えているからです。そういったクリニックの開業を検討している医師は、施工会社と設計段階から密にコミュニケーションを取った方がよいでしょう。


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