精神科医におすすめのキャリア記事まとめ

5大疾病のひとつに位置付けられ、社会からのニーズが高まっている精神科領域。今回は精神科におけるキャリアの特徴と、精神科医におすすめの記事をまとめました。

【目次】

  • 精神科の業務内容

    精神医学は神経科学を基盤にし、人間性や社会的条件を統合した臨床科です。ヒトの行動異常を対象とした領域のため、他の身体医学よりも心理・社会的な側面が強く、社会と密接に関わっています。領域として「こころの病」を扱うことは確かなものの、こころのみに働きかけるだけでなく、脳神経疾患をはじめとして、循環器系、神経系、消化器系、内分泌系、血液系、皮膚科などとの関係の中で統合的に治療を行います。治療の際には生物学的・心理学的・社会学的な側面を統合しながら診ていく特色があります。

    ◇生物学的側面:薬物療法、無けいれん性の電気治療など
    ◇心理学的側面:精神療法、支持的精神療法、認知行動療法、内観療法、森田療法など
    ◇社会学的側面:職場の調整、家庭の調整など

    初期研修修了後のキャリアステップ

    精神科は長期にわたって患者に寄り添い、数年、十数年と患者が精神的に成長することを見守り続けることがあります。その成長を確認できた時の充実感は、精神科医でなければ味わえないといわれるほどです。精神医学の専門家になるためには、心理・精神病理に精通するだけでなく、精神療法と向精神薬療法の知識を身に着け、身体疾患の基本的なマネジメントをし、患者との適切なコミュニケーションをとるスキルが求められます。

    最近は、糖尿病、心筋梗塞、がんなどの病気で、うつ病・うつ状態の併存率が高いという結果が出ており、併存している患者は身体疾患の予後が悪化する傾向があるため、生活習慣病の基本的な知識を身に着ける必要もあります。

    STEP1
    <精神科専門医への道>

    ・精神科専門医制度研修施設の指導医のもとで3年以上の勤務
    同時に、精神保健福祉法で定める「精神保健指定医」の取得

    ≪精神保健指定医とは≫
    精神保健指定医は、患者本人の意思によらない入院や、一定の行動制限を行うことができる医師を認定する国家資格。取得要件は、臨床医として5年以上の診断または治療に従事した経験(内、3年以上を精神科臨床医として勤務)を持ち、5分野5症例のケースレポートの提出、口頭試問を経て認定されます(2019年7月1日以降の申請者から適用)。

    図:ケースレポートに係る症例分野・症例数(厚生労働省「精神保健指定医の指定に関する要件・実施方法等の見直しについて」より抜粋)

    STEP2
    <さらなる専門性の追求>

    ◇急性期症状
    ・症状性を含む器質性精神障害、アルコール、精神作用物質使用による精神および行動の障害、統合失調症などの精神性障害、躁うつ病/気分(感情)障害などの神経症性障害、
    児童思春期性精神障害(摂食障害を含む) など

    ◇慢性期症状
    ・精神遅滞、心理的発達の障害、認知症などの老年期精神障害 など
    ※どの症例も原則は急性期と慢性期の二面性を備えています。
    ※サブスペシャルティ学会の専門医制度は基本領域学会がサブスペシャルティ学会と協同して、サブスペシャルティ学会専門医検討委員会(仮称)を構築し、プログラム等を作成して日本専門医機構の承認を得た上で運用予定。

    STEP3
    <第一線で活躍>

    ・精神科救急入院料病棟で活躍
    ・大学病院、総合病院、精神科病院、クリニックなどで急性期症状を中心に活躍
    ・総合病院、精神科病院、クリニックなどで慢性期症状を中心に活躍(認知症領域も含む)

    STEP4
    <第一線引退後>

    ・精神科・心療内科クリニックに勤務
    ・総合病院、精神科病院などで慢性期症状を中心に活躍(認知症領域も含む)

    施設形態別の働き方

    ◇大学病院
    精神科医の数が多く、教授をはじめ専門領域に通じた医師が勤務していて、複数の意見が診療に反映され、入念な診断、治療方針を得ることができます。

    ◇総合病院(大学病院以外)
    病棟がある場合は、比較的熟練した精神科医が2~3人と若手の医師1~2人の構成になっていることが多いようです。他科との連携を院内で完結させれば、他の疾患も抱えた方が治療を受けやすいメリットがあります。

    ◇精神科病院
    精神症状が重症な患者の対応に長けた精神科医が複数名勤務しています。精神科救急対応をしている病院や、設備が整った病棟に改築した病院も増えています。デイケアが充実している病院が多いので、ある程度の期間、リハビリテーションを行うのに適していることが多いです。

    ◇精神科・心療内科クリニック
    ある程度の経験を積んだ精神科医が1人で診療をしていることが多いです。画像診断検査等も総合病院と連携していることが多いので、診断に関しては他の精神科医療機関に遜色ないともいえます。気軽に受診できるようにするため、交通の便が良い立地で、夜間や土曜日まで診療をしているところが多いです。

    ◇企業(産業医)
    産業医資格を取得した精神科医が1人で診療にあたることが多いです。健康診断関連の業務(健診実施、結果に基づく事後措置・再発防止措置の指導など)をメインに、「健康相談・保健指導の実施」「職場巡視」などを行います。

    精神科医のキャリア事例


    海外の精神医療事例を見て、「旭モデル」と呼ばれる地域型精神医療モデルを構築した総合病院国保旭中央病院の青木勉先生。多くの長期入院患者が退院し、地域で暮らせるようになった舞台裏に迫ります。



    オーバーワークが引き金となり、うつ病を患ってしまった精神科医の宮島賢也先生。忙しい医師が心身をコントロールするには、どのような点に気を配るべきなのでしょうか。自身の体験を踏まえながら、医師のメンタルヘルスケアに関する課題と改善策を伺いました。



    2011年7月、日本初の「ネット依存治療専門外来」を開設した久里浜医療センターの樋口進先生。アルコール依存症の治療に取り組んでいた樋口先生が、ネット依存に問題意識を持つようになった経緯とは。



    睡眠時無呼吸症候群の疾患概念が上陸したときから「睡眠」に着目し、30年以上にわたって日本の睡眠治療を牽引する井上雄一先生。井上先生の今日に至るまでのキャリア、不規則な勤務で寝不足になりがちな医師へのアドバイスを伺いました。



    大手企業のサラリーマンを経て、産業医になった尾林誉史先生。現場での課題感は、産業医が医療者からも企業からも軽んじられているということ。働き方改革が叫ばれる今、産業保健現場の実情について伺いました。

    <参考>
    ・公益社団法人 日本精神神経学会
    https://www.jspn.or.jp/modules/residents/index.php?content_id=1

    ・ICD10対応標準病名マスター
    http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/Scripts/ICD10Categories/default2_ICD.asp?CategoryID=F00-F99

    ・厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部精神・障害保健課
    精神保健指定医の指定に関する要件・実施方法等の見直しについて(平成30年12月)
    https://www.mhlw.go.jp/content/000450468.pdf


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