外科医におすすめのキャリア記事まとめ

体力面での衰えから「メスを置くとき」のことも考えなければならないのが外科医。もしその時が来たら、その後はどんなキャリアを選べるのでしょうか。今回は外科医のキャリアの特徴や、キャリアステップを考える上でおすすめの記事をまとめました。

【目次】

  • 外科の業務内容

    外科学とは、診断、手術、術前・術後の管理と処置、合併症対策など、一般外科医療の業務によって創傷や疾患の治癒を目指す臨床科です。手術手技など外科的な技術のほかにも、関連する医療従事者との協調や協力、リーダーとしてチーム医療を実践する力が求められます。
    専門医の維持と更新には、つねに最新の知識・テクニック・スキルを学び、実践できる能力を養う必要があります。消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺外科、内分泌外科などが、外科専門医のサブスペシャルティ領域です。

    初期研修修了後のキャリアステップ

     外科は手術によって創傷・疾患の治癒を目指す科目です。そのため、高い専門性や最新の知識、テクニックはもちろんこと、チーム医療の一員として行動するスキルや、リーダーシップも求められます。また、高齢患者が増えるにしたがって、患者一人ひとりが受け入れられる侵襲の程度に考慮することが求められます。さらに手術のみではなく、術後のADL維持や向上も加味した冷静で客観的な判断も、ますます必要とされるようになるでしょう。
     他科に比べてハードワークになりがちな外科ですが、一人でも多くの患者の命を救えること、そしてその患者から感謝されることが外科医の醍醐味ではないでしょうか。

     一方で、視力・体力の衰えなどからメスを置かざるを得なくなる、いわゆる第一線からの引退時期が他の科目と比べても早いのが特徴です。重症患者が多く体力的にも負担の大きい心臓血管外科や、脳神経外科、大学病院に症例が集積しやすい呼吸器外科の医師は、40代ごろからセカンドキャリアについて検討し始めるケースが多いようです。消化器外科や一般外科、整形外科、泌尿器科などは予定手術に重きを置けるため、40代後半から50代あたりでセカンドキャリアを考え始める傾向があります。いずれの科目の医師も、専門領域と近い内科系の科目への移行や、執刀は一切せず指導に徹するといったキャリアステップを選ぶことが多く見られます。

    STEP1
    <整形外科専門医への道>
    ・日本外科学会の指定した外科専門医制度修練施設において、5年以上の修練が必要(初期臨床研修期間を含む)。
    ・卒後初期臨床研修期間での修練の内容は、外科専門医カリキュラムの到達目標1と2を経験することが望ましいとされています。

    STEP2
    <サブスペシャルティ領域専門医の取得>
    消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺外科、内分泌外科の6サブスペシャルティ領域のほかにも、それに準じた外科関連領域の専門医を取得できます。
    6サブスペシャルティ領域は外科専門医直結のサブスペシャルティ領域であり、外科専門医の研修期間から連続、重複してそれぞれの領域の症例経験、手技・手術などの修練を積み重ねていくことが推奨されています。

    STEP3
    <第一線で活躍>
    ・大学病院、総合病院、一部のクリニックなどで急性期症状を中心に活躍

    STEP4
    <第一線引退後>
    第一線を引退後は、これまでの専門性を活かしつつ慢性期寄りの医療機関で働くことを選択する医師が多いようです。例えば、以下のようなキャリアチェンジがあります。
    ・脳神経外科医:脳ドック、リハビリテーション領域で活躍する
    ・呼吸器外科医:呼吸器内科の領域にも力を入れる
    ・心臓血管外科医:循環器系疾患を中心に、生活習慣病全体を診る家庭医になる
    ・一般外科医:簡単な外科処置が求められる在宅医療や総合診療医に挑戦する
    ・整形外科医:リハビリテーション領域で活躍する
    ・消化器外科医:内視鏡検査のスキルを活かし、消化器内科領域へシフトする
    ・泌尿器科医:専門外来、透析管理を担当する
    ・そのほか:外科医として緩和ケア領域の専門性を高めたのち、在宅医療に挑戦する
    など。

    これまでの専門性を活かした働き方ができるので、入職後のミスマッチを防ぎやすいことが大きなポイントです。外科医として培った全身管理能力や、いざというときの緊急対応能力は高く評価されるでしょう。

    一般内科へのキャリアチェンジを考えている医師は多いですが、無理のないキャリアチェンジを実現するためには、上記のように専門領域を生かしながら内科診療のできるキャリアを経て、徐々に一般内科へと診療領域を広げていくのが現実的です。

    そのほか、介護老人保健施設(老健)の施設長や産業医というキャリアを選ぶこともできます。臨床とは異なるアプローチに挑戦できることや、自分の時間を確保しやすいとメリットがあります。一方で、患者とのかかわり方が医療機関とは異なるため、入職前によく精査しておくことが重要です。トライアルや非常勤での勤務を体験しておくと安心です。

    ワーク・ライフ・バランスの取りやすい産業医は人気の高いキャリアチェンジ先ですが、企業は経験者を欲しがるため、未経験者にはハードルの高い転職先といえます。産業医の定年は60歳の場合が多いので、転向するなら未経験でも受け入れてもらいやすい30歳~40代前半までが現実的でしょう。

    生命保険会社などで診査や査定を行う社医は、外科医の診療経験がプラスになります。ただし、いち社員として入社することになるため、上司が自分よりも年下の場合は転職が難しいかもしれません。一般的に、未経験者であれば40歳半ばまでなら採用圏内になる企業が多いようです。

    外科医の将来性

    人口減少やAIなどの技術発展により、外科医の仕事は減るという声もありますが、当面は活躍の場が多いでしょう。たとえば、手術支援ロボットは開発、普及が進んでおり、中でも有名なda Vinciの特許切れに伴い、今後は手術支援ロボット市場がさらに拡大する可能性もあります。そうなれば、外科医は定年まで手術を行えるようになるかもしれません。また、整形外科医であれば、高齢化に伴ってロコモティブシンドロームの増加で、人材ニーズは引き続き高いままと予想されます。

    ほかにも今後は細胞や臓器、脳神経などへの再生医療の研究が進むことが予測されます。以前、エムスリーが行ったm3.com医師会員を対象にした意識調査では、「臓器そのものを置き換える手術が可能になる」「再生した臓器で補完する技術が確立することが予想される」などの意見がありました。こうした新しい技術においても、外科医のニーズはあるでしょう。

    記事紹介:外科医のキャリア事例


    時代の変化を映すかのように、既定路線にとらわれないキャリアを歩む医師が増えています。自分の可能性を広げ、充実した医師人生を築いていくために今、何をすべきなのか。キャリアデザインという概念を国内に広めたことでも知られる慶應義塾大学の花田光世名誉教授に、医師のキャリア形成の課題について伺いました。



    30代半ばにして大学医局から埼玉県の行田総合病院へと転職した澤田洋平氏。医師が少ない埼玉県にて地域医療に従事し、やりがいを感じているといいます。キャリア面と生活面を両立できるライフスタイルを得るためにしたこととは、一体何だったのでしょうか。



    都内の有名病院にて外科医としての研さんを積み、高度な手術も担ってきた中山祐次郎氏は、葛藤を感じながらも福島県郡山市の総合南東北病院への赴任を決意しました。中山氏がこれから目指す先について伺いました。



    第一線で働く医師も、さまざまな事情で「バーンアウト(燃え尽き症候群)」し、やむなく休職や退職に至ることがあります。医師がバーンアウトする時の傾向や、バーンアウトに陥らないための対策を具体的な事例をもとに解説します。



    国境なき医師団として、各地で手術を経験してきた外科医の渥美智晶氏。紛争地帯で現地の患者と向き合う中で見えてきたことについてお聞きしました。



    外科医としていつまで第一線で働き続けるか? 第一線を退いたあとのキャリアステップとは? 転職市場の動向から、外科医のセカンドキャリアを解説します。



    秋田県で初めての在宅医療専門クリニックを立ち上げた市原氏。もともとは市中病院や大学病院で数千例のがん手術を執刀するなど、第一線で活躍していた外科医です。市原氏が在宅医療に取り組んだ理由をお聞きしました。

    記事紹介:まだまだ珍しい? 少数派キャリア事例


    保険診療・自由診療という枠組みにとらわれず、目の前の患者さんに必要な治療を提案している整形外科医の長田夏哉氏。AI時代の到来が叫ばれている今こそ、「医学ではなく医療」の視点が医療者に求められているのではないかと指摘する長田氏に、独自の診療スタイルやそこへ至った思いについて伺いました。



    乳房再建や下肢静脈瘤の治療に専念していた菊池守氏がキャリアの転機を迎えたのは、医師10年目のとき。ある学会で行われた発表に衝撃を受け、日本に足病学を浸透させるべく、挑戦を始めました。



    勤務医から産業医として日立健康管理センタへ入職した林圭介氏と、初期研修後すぐに同センタへ入植した渡辺祐哉氏と朝長涼氏。異なるキャリアの産業医3名に「常勤産業医」の働き方について伺いました。



    大学での基礎研究者から、被収容者の診療・治療を行う矯正医官へのキャリアチェンジを選んだ岩田要氏。矯正医官の仕事の実際について伺いました。



    今後のキャリア形成に向けて情報収集をしたい先生へ

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