不測の事態、どう対応する?職場で子育てを応援してもらうには─女医のつれづれ手帖(21)

Yu(ゆう)

産休・育休明けは、生活リズムの変化や久々の職場復帰など自分自身の負担も大きくなる時期。不測の事態に対応するためにも、家庭や職場からバックアップしてもらえるよう働きかけていく必要があります。今回は、私がどのように育児と仕事の両立をしているか、周囲との関係づくりのポイントも含めお話したいと思います。

【目次】

育児と仕事の両立 不測の事態に対応するためには

子をもつ女医の仕事復帰には、周囲の協力が必要不可欠です。たとえば子供が体調不良で保育園に行けなかったり、仕事中に呼び出しを受けたりした時や、急遽残業が入ってしまった時…。こうした緊急時に対応するためには、少なくとも旦那や実母など家族の協力が絶対条件です。とは言うものの、現実はどうでしょう?もし自分の実家も旦那の実家も遠方だったら、急に協力を要請することは難しいですよね。また、旦那も仕事が忙しく不定休だったりすれば、協力する気持ちを持ってくれていたとしても、対応できないことがほとんどだと思います。結局、毎回母親が勤務先と交渉せざるをえない…というご家庭も多いのではないでしょうか。

私の場合、いざというときにはまず旦那に相談することにしています。が、子供の異変に気付いた時にはすでに旦那は出勤した後…ということも多く、仕事の都合上対応してもらえるのは奇跡に等しい。そこで、次に頼るのが自分の実家です。なんとか日帰りできる距離にあるため、 子供が急に体調を崩したりして保育園に行けないときは、9割方実母に力を借りています。こうした家族の支えは、本当にありがたいもの。けれど、母の都合がつかない、というケースも当然出てきます。そういう時は、病児保育もできるベビーシッターさんの派遣を依頼します。ベビーシッターといっても様々な会社があると思いますが、私が登録しているところは、病児保育を主な対象としており、緊急時のみシッターをお願いする人向けの会員登録もできる仕組みになっています。家事代行サービスはついていません。会社によっては、家事も保育も請け負ってくれるところもあるようですし、家庭の事情に応じてそういったサービスを利用するのも一つだと思います。

このように実母やベビーシッターなどの伏線を張っていても、不測の事態が起きることはあります。実際、夕方子供が熱を出したと保育園から連絡を受けたものの、私も旦那も仕事を抜け出せず、実母も都合がつかない、シッターさんも空いている方が見つからないというので、仕方なくお迎えに行ける時間まで園で様子を見てもらったことがありました。

お陰様で、子供も1歳を過ぎ保育園にも慣れてきたので、熱を出したり体調を崩すことも少なくなり、急な対応を求められる場面は減ってきましたが、保育園などに通い始めの頃の子供は、感染症などなにかと病気をもらってきてしまうもの。自分も復職したばかりで慌ただしい時期に、さらに子供のことで急な対応に追われる、というパターンに陥りがちです。これが続くと、想像以上に精神的にも、体力的にも打ちのめされます…。

職場からの理解は不可欠、必要なら転職も視野に検討を

このように、家庭内でフォローし合うとなると限界がありますから、復職先の同僚・上司からの理解を得られるか、柔軟に対応してもらえるかが、育児と仕事を両立する上でかなり大きなポイントになるでしょう。しかし残念ながら、人手不足の病院ではまだまだ理解が欠如しているところも多いのが実情。ひどいときには嫌がらせを受け、面倒な仕事を押し付けられてしまうケースもあるようです。また、理解があっても、物理的にフォローは難しい、と言われてしまうことも。逆に、ある程度医師(医局)の人数が確保できている病院では、子育て中の医師でチームを作り、その中でお互いに助け合える仕組みがあったり、家庭のある医師は男女問わず時短が認められているところもあると聞きます。

ですから、産休・育休前の職場を思い出してみて、もしくは実際に復帰してみて、あまりにも理解が乏しいと感じるようなら転職も視野に入れるべきだと思います。

〝困った時はお互い様〟サポートし合える関係づくりを

一方で、協力してもらったことへの感謝の気持ちを、周囲にしっかり伝えることも必要です。まだ自分が結婚する前、妊娠・出産を経て職場復帰する女医や育児中の男性医師を何人かみてきましたが、どんなに理解ある職場だとしても「育児中なのだから優遇されて当たり前」というスタンスだと、人間関係がうまくいかなくなってくることが多い。私も、そういうスタンスの人には自分から進んで協力したくはないな、と心のどこかで思ってしまっていたように記憶しています。もちろん、子育てしながら仕事も頑張りたい、という気持ちは大切にするべきですし、決して自分を卑下する必要はありません。“困った時はお互い様”なのですから、「いつも助けてもらってありがたい。他のスタッフが困っていたら自分も助けよう」と素直に感謝することが大切だと思います。

独身男性の医師だって、病気や怪我である日突然仕事ができなくなることは十分あり得ます。そういう時、他の医師は多少負担が増えたとしてもカバーする体制をとりますよね?それぞれが相手の立場に立って考え、他人事ではなく自分事として捉えることができれば、もっと医師同士サポートし合えるようになると思います。そうした教育が、研修医時代などにあるといいのかもしれません。困った時はお互い様。悪びれすぎない、恩を着せすぎないというのは、家族でも職場でも円滑に関係を築くのに重要なポイントです。助けてもらったら、「謝罪(申し訳ない、ごめんなさい)」ではなく、「感謝(ありがとう)」を伝えるように心がけてみてはいかがでしょうか。些細なことではありますが、たったこれだけの違いで、言う方も言われた方も印象が大きく変わることを実感してもらえると思います。

【著者プロフィール】
Yu(ゆう)
医学部卒業後、某医局で麻酔科認定医取得。 30代で国際結婚、1児の母。
現在は麻酔科・内科医として働きながら、 自身の経験を活かした執筆活動も行う。

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