どう築く?産後のキャリア─女医のつれづれ手帖(22)

Yu(ゆう)

子供が生まれたことで、医師としての目標と母としての理想の狭間で揺れる方も多いでしょう。復職するのか否か、働き方はどうするのかなど、悩む内容も人それぞれ。今回は、私なりの産後のキャリアプランの描き方についてお話したいと思います。

【目次】

復帰の時期やペースに〝正解〟はない

科目によっても、個人によっても、医師として目指すゴールやキャリアプランは千差万別。私自身は、資格取得よりも自分と子供の状況に応じて勤務できるかを重視。絶対無理や無茶はしない、安請け合いもしないと決めて仕事を選択させてもらっています。また、色々悩んだ結果、自分の患者さんに提供したい医療や将来的な立場などを考え、最終的なゴールとしては、家業を継ぎつつ栄養療法や予防医療にも力を入れていこうと最近意思を固めました。果たして、これをキャリアプランと呼べるのかは微妙ですが…(笑)。

知り合いの女医では、子育てしながら常勤を続け専門医を取得した、という人ももちろんいます。一方で、妊娠を機にひとまず退職して子育てがひと段落してから復職するか考える、という友人も。このように、職場復帰の時期や方法は人それぞれです。他の医者と比べたり情報に惑わされず、自分と家族のペースに応じて考えれば良いのではないでしょうか。

私は正直、家事はそれほど好きでも得意でもありません。独身の時から休日も外出することが多いタイプでしたし、仕事をせず毎日ずっと家で過ごす、という生活が想像できませんでした。自分に合わないライフスタイルを続けているとイライラが溜まって子供にも悪影響を及ぼしかねない…と出産前から思っていたし、あまり休みが長く続くと、仕事への意欲がどんどん減退してしまうことも想像できたので、たまたま保育園がスムーズに見つかったこともあり、産後数ヶ月で復職となりました。

では、復帰後の働き方はどうでしょう?たとえば、子供が小さいうちは非常勤や週2〜3日勤務などの勤務形態をとっていた場合。子供が成長して親の手を離れたとき、常勤やフルタイム勤務に戻るかどうか、戻るとしたらどのタイミングで移行するかなど、自分の目標を見据えて決断していく必要があります。

私の子供はまだ1歳なので、今後どうなるかはまだ想像するしかありません。でも、先ほど述べた通り既に自分のゴールは定まっているので、子供が小さかろうが大きくなろうが、その目標を目指して進むのみ、と考えています。ですから、現在麻酔科で非常勤やスポットで勤務していますが、今後どこかの常勤になることは頭にありません。今は、主科と栄養療法を併用して開業されている先生から開業のノウハウなどについてお話を伺ったり、積極的に勉強会に参加するなどして、家業を継いだ後に役に立つ知識や情報を蓄えているところです。

愛情は量より質 短くても濃い子供との時間を


「親の手を離れる」と言っても、子供が大きくなればなったで、思春期や受験など親の悩みは尽きません。母として、子供としっかり向き合うことの重要性は変わらないでしょう。自分の働き方を考える上でも、子供の話を聞いたり相談に乗れるだけの余裕をちゃんと確保する、という意識を忘れずにいたいですね。

一方で、働き方を変えることでこれまでより子供との時間が取れなくなってしまう…と葛藤する方も多いのではないでしょうか。そんなときは、子供が何歳だとしても、「なぜ働き方を変えるのか」「今までとどのように変わるのか」を、子供が納得できるようにきちんと説明してあげるべきだと思います。そして、「何よりも子供が一番大切であること」を必ず伝えてあげましょう。母親がなぜ仕事ばかりするのか、どうして働き方を変えなくてはいけないのか、理由がわかれば子供は理解してくれるはずです。子供にとって、母親というのはお腹にいるときから絶対的な存在。短い時間でもしっかり母親が関わってくれれば、子供は自分が愛されていると実感し、ちゃんと成長していきます。確かに反抗期など困らされることもあるでしょうが、きっと心強い味方になってくれるに違いないと私は思っています。

私の子供は1週間のほとんどを保育園で過ごすので、休日一緒にいるときはスキンシップをもっと増やしていこう、と私もこの文を書いていて改めて感じました。まだ言葉の理解は難しいですが、その分、たっぷり触れ合う中で愛情を伝えたいなと思います。女性が子育てと仕事を両立していく上では、本当にたくさんの壁があります。けれど、くじけそうになっても、私たちは独りではありません。これからも読者のみなさんとともにゴールを目指していけたら私も嬉しいです。

【著者プロフィール】
Yu(ゆう)
医学部卒業後、某医局で麻酔科認定医取得。 30代で国際結婚、1児の母。
現在は麻酔科・内科医として働きながら、 自身の経験を活かした執筆活動も行う。

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