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公衆衛生医師に会えるチャンス!研修医から40代医師まで参加する見学会とは

取材日:2019年7月10日(エムスリーキャリア編集部)

東京都福祉保健局_KV

 公衆衛生に関心のある医師30人ほどが毎回参加する人気の見学会が、2020年8月に再び開催されます。人気の理由は、東京都で保健所等の公衆衛生の現場に立つ医師から話を直接聞ける希少な機会となっていることです。
今回は、2019年春の見学会の対応にあたられた東京都の高橋千香先生、松本星保先生に話を聞きましたので、2020年8月に開かれる見学会への参加を考えている先生はご参考にしてください。

見学会ってどんなところ?

 保健所等の公衆衛生の現場について、現役の医師たちから話を聞ける場です。業務内容などについての説明会の後に、希望者には個別相談会が用意されています。相談会では、複数の公衆衛生医師が、参加者の疑問に答えます。

 参加者は、初期研修を終えたばかりの先生、子育て中の医師、30代後半~40代で地域保健・予防医学に興味ある先生などとバラエティ豊かです。科も様々で、内科、小児科、精神科の他、耳鼻科や産婦人科、皮膚科などの医師もいます。

 参加者からは、初めて保健所の医師と話したという声も多く、具体的な話が聞けて「来てよかった」と好評だといいます。

参加者から寄せられる質問

 見学会では、公衆衛生医師について数多くの質問が寄せられます。ここでは、その一部を取り上げました。気になることがある方は、ぜひ見学会にご参加ください。

人物
社会医学系の専門医ができましたが、東京都に入職したら取得できますか。
人物
取得するためのプログラムに参加できます。
実務をしながらおおむね3年間の研修を通じて、専門知識や技術を修得していきます。プログラム修了後、専門医認定試験に合格すると専門医を取得できます。

具体的な研修内容については、細かな話になりますから、見学会で聞いていただければと思います。
人物
必要なスキルや学んでおくとよいことはありますか。
人物
医療知識については、臨床経験がある方なら問題ないかと思います。最も必要なのはコミュニケーション能力です。臨床現場ですと、医療職とのコミュニケーションが多いですが、公衆衛生(保健所等)では医療職はもちろんのこと、住民や企業、他の自治体、医療機関と対象が幅広くなります。
さまざまな方に対して、いかに分かりやすく説明できるかは、普段から意識いただけると良いのではないでしょうか。

また、入職後には研修もありますので、ご安心ください。医師は課長代理(係長)として採用されますから、係長としてのマネジメントに必要な研修を受講できます。研修や実務を通じて、今まで持っていないスキルは身に着けられます。
人物
子どもがいるのですが、福利厚生はどんなものがあるのでしょうか。
人物
行政ですから一般的な制度はいずれも利用しやすいと思います。産休・育休や短時間勤務の制度を利用してきた女性医師は多くいます。

実は、保健所の所長は6割が女性※です。育児経験者も多いので、上司・同僚など周囲のサポートを得やすいです。非医師の方々も共働き家庭が多く、家庭と仕事の両立に理解がありますね。(※平成31年4月1日現在)

また、こういった福利厚生を利用すると「周囲に申し訳ない」という気持ちになる方もいると思います。しかし公衆衛生は、子育て経験が仕事に結びつきやすいですし、臨床と比べると突発的な業務は少ないと思いますので、仕事の段取りを立てやすく、しっかり貢献いただけると思います。
人物
他の道府県と比べて、東京都の公衆衛生の魅力は何でしょうか。
人物
配属先には東京都、特別区、八王子市及び町田市の保健所又は本庁があり、幅広いフィールドで経験を積めるのが最大のメリットです。東京と一口に言っても、都心部、昔ながらの下町、田園地帯、離島などがあり、他の自治体だとここまで多様にはならないと思います。
人物
公衆衛生医師を目指していますが、私のキャリアでも大丈夫ですか。
人物
公衆衛生医師の勤務先には、大きく分けて本庁と保健所がありますが、保健所は都心部から離島まで様々なフィールドがあります。しかも東京都は、感染症ひとつとっても多彩で、海外から持ち込まれるケースも少なくありません。どんな医師であっても、ご自身の活かし方を見つけられると思います。

答えてくれるのはどんな公衆衛生医師?

 2019年春の見学会に参加した公衆衛生医のお二人に、仕事の魅力などを伺いました。

高橋千香先生
高橋千香先生

・経歴:2002年卒、2010年入職
・所属:大田区 健康政策部 感染症対策課長
・業務内容:
地元の医師会などと連携しながら区の感染症対策に従事。「大田区は協力的な開業医の先生が多い」(高橋先生)そうで、地域一丸での活動に力を入れる。家庭では5歳の子どもを育てる。
・入職理由:
大学時代に、東京都の離島にある保健所を見学したことがあり、そこでの経験などから公衆衛生に興味を持った。臨床研修を含め4年間の臨床現場で、肺がんなど完治の難しい疾病に触れて、予防医学や地域の課題解決を意識するようになり、大学院で公衆衛生を学んでから東京都に入庁。

 ―公衆衛生医として働いてみていかがですか。

 公衆衛生(保健所等)は組織として動く仕事ですから、臨床の現場とは考え方を変えないといけないと、強く感じました。患者さんと1対1で関わる臨床と違い、公衆衛生分野では大勢の住民が相手ですし、何かを判断・実行するときも医師1人ではなく、行政内の各部署で連携します。時には地域の医療機関などと協力しながら進める事業もあります。関わる人が多い分だけ時間は掛かりますが、大勢の方の健康を守り、役に立てるのが嬉しい仕事です。

―今後チャレンジしたいことはありますか。

 公衆衛生は10年経験していても、まだまだ未経験の領域があります。今は感染症をメインに扱っていますが、今後は健康づくり関連の事業にも携わってみたいです。健康づくりは規模が大きく、非医師が課長として取り仕切っているケースもあります。医師としてチャレンジできることが多いのではないかと思います。

―公衆衛生に向いているのは、どんな医師でしょうか。

 日常生活の中で問題意識を持っている方です。そうやって見つけた問題を社会制度でいかに是正していくかが、公衆衛生医師の仕事とも言えます。
私達は「公衆衛生マインド」と呼んでいて、研修やeラーニング、講演会なども活用しながら、常々意識するようにしています。


松本星保先生
松本星保先生

・経歴:2011年卒、2017年入職
・所属:目黒区 健康部碑文谷保健センター 保健予防担当係長
・業務内容:
感染症対策・予防接種の普及のために、地域住民への健康講座や、職員への研修を行う。また、母子保健、高齢者保健などにも関わっている。医師になる前に物理学を専攻していた経験から、感染症やがん検診に関わるマスデータの解析などで、自身の強みを活かしている。
・入職理由:
医師になってから、知人の話を聞くなどして公衆衛生に興味を持ち始める。神戸市を経て、より規模が大きく、多彩な人々のいるフィールドを求めて東京都に入庁。

 ―公衆衛生に興味を持ち始めたのは医師になってからだそうですね。

 はい、医学生の頃は公衆衛生に興味がなかったのですが、医師になり知人から公衆衛生を勧められ、調べてみたら興味が湧き始めました。

私は医学部の前に、物理学の博士課程にいたのですが、物理学で培った思考方法や経験が使えると思ったんです。

―働いてみていかがですか。

 10年間も物理学を学んだキャリアをどこかで活かしたいと考えていたのですが、公衆衛生ではその場を見つけられました。

数理的な考え方は、膨大な量のデータの解析や、業務効率化のためのプログラミングなどで役立っています。

また、東京都は住む人々など「多彩」が満載で、私のたくさんの好奇心を満たしてくれました。

―臨床とはやはり違うのでしょうか。

 もちろん違うのですが、まったく別物というわけでもありません。
たとえば感染症が発生した施設に感染拡大防止策を指導するとき、施設ごとの事情にあわせてトータルで考えなければいけません。感染拡大防止だけにフォーカスを合わせた画一的な指導は、実行性に乏しくなりがちです。このあたりは、患者さんの病気だけに着目せずトータルに考えて診療するのと似ていて、内科医に通じるものを感じます。

―公衆衛生のやりがいは何でしょうか。

「福祉で救われる命もある」というのが私の持論です。医学にとどまらず、医学以外の分野でも人々の役に立てるのが公衆衛生の魅力です。
たとえば私自身、感染症発生時の時だけ動くわけでなく、精神疾患を患った独居の方の自宅に訪問したり、児童虐待・高齢者虐待に関わったりすることもあります。医学だけでは救いきれない方々に、医師としてのアドバイスができ、問題解決の一助となれることは、公衆衛生の良さだと思います。

―今後チャレンジしたいことはありますか。

 保健所や保健センターは、厚生労働省の政策を住民に伝え、還元していく立場です。しかし、厚生労働省から言われたことをそのまま実施するのではなく、自治体の特性を考慮して主体的に動きたいと考えています。
厚生労働省が行う政策の効果検証を鵜呑みにするのではなく、自分の所属する自治体での効果はどうだったのか、現場の私達の手で効果検証を行いたいですね。それが地域特性を考慮した施策につながると思います。

参加を考えている方へのメッセージ

―見学会への参加を考えている医師にメッセージをお願いします。

高橋先生
 以前に比べて公衆衛生医師の情報は出回るようになっていますが、実際に保健所で働いている医師と話せるチャンスはあまりないと思います。見学会は、当事者の生の声を聞ける希少な機会となるはずです。
興味本位でも構いませんので、予防医学や公衆衛生分野に、少しでも興味をお持ちの方は、お気軽にご参加ください。

松本先生
「治療することだけが私達の仕事なのだろうか」と感じている方や、私のように医学以外での分野で経験のある方は、公衆衛生に一つの答えが待っているかもしれません。公衆衛生には、それだけ幅広い活躍の場があります。まずは見学会にお越しください。

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お問い合わせ先

東京都福祉保健局  

保健政策部保健政策課
公衆衛生医師担当
Tel:03-5320-4335
Mail:S0000282@section.metro.tokyo.jp