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改革は終わらない 地域に根付き、進化を続ける牧田総合病院

取材日:2017年7月31日(エムスリーキャリア編集部)

牧田総合病院

 「変わらなければ、生き残れない」「東京都に残る医療空白地帯に我々がすべきことは」「スタッフのモチベーションを高めるためには」――。2017年6月某日、東京都大田区の牧田総合病院(404床)では、理事長、病院長、事務局長の3人が膝を突き合わせて議論を繰り広げていました。
東京23区最大の面積を誇る大田区の医療体制を支える存在として、1942年の開院以来、急性期を主軸に成長を遂げてきた同院では、回復期や療養、在宅医療、予防医学といった包括的な医療ニーズに対応。さらに2020年には本院を西蒲田に新築移転する予定となっており、将来を見据えながら、今なお変革を続けています。なぜ貪欲に進化を続けるのか、背後にある思いを取材しました。

戦略なくして生き残れる時代は、もう終わった

 「今は昔とは違う。病院が独自に何かを考えて実践していかないと生き残れない。
患者のニーズが『治す医療』から『治し支える医療』に転換していく中で、自分たちがどうあるべきかを、我々は考え続けなければならない」


荒井好範理事長
荒井好範理事長

 病院の方向性を議論するため理事長・病院長・事務局長が集ったこの日、口火を切ったのは、荒井好範理事長でした。東京都大田区で75年以上に渡って地域住民に親しまれてきたことから、封建的なイメージを抱かれることもあったという同院ですが、荒井先生が理事長に就任した2012年以降は、時代を先取りするような形で、数々の経営改革を断行。2013年には、本院が急性期に特化できるよう、回復期・療養型病床を60床ずつ持つ蒲田分院を開設したほか、2017年には健診プラザOmoriを開設して予防医療領域にも注力するなど、役割を広げながらも、法人内での機能分化を徹底させてきました。しかし、時代の変化に追いついていくためには改革の手を緩めてはならないと、越智芳晴事務局長も力説します。

越智芳晴事務局長
越智芳晴事務局長

 「我々が位置している大田区は今、大きな変化にさらされています。全国的に騒がれている高齢化に加えて、専門学校のキャンパスが新設されることで若者層が増加。更には羽田空港から近いこのエリアは住民の国際化も進み、住民の多様化が加速しています。地域医療を追求する以上、こうした変化に、我々も対応しなければならないと思うのです。

特に、2020年に本院が新築移転する予定の蒲田以南は、急性期の医療機関が少なく“医療の空白地帯”とすら言われる地域ですから、住民からの病院誘致の声も強く、行政からも当院に地域活性の旗揚げ役になって欲しいと要請を受けているんです。今ある医療機能を強化しつつ、今後ニーズが高まる領域に注力しながら、地域医療を提供することが我々の使命であると考えています」

時代の先を見据えて、変わり続ける同院。一方で現場スタッフを置き去りにしないよう、組織内の体制を整えていくことも重要だと語るのは、小谷奉文病院長です。

小谷奉文病院長
小谷奉文病院長

「いくら経営層が大号令をかけたところで、スタッフがその気にならなければ何も動きません。現場で患者さんに向き合っている医療者から見ても納得感のある戦略をとること。そして彼らが自分の人生を大切にしながらも医療者としてのやりがいをもって働き続けられるよう、業務効率の向上や人事制度を整えていくことが、こういう変革期には大切ではないでしょうか」

新病院構想に現場の士気も高まる

 現場の声を経営や組織づくりに反映させるべく、同院では年1回、全スタッフ対象に経営層との個別面談を実施。一人ひとりに方針を伝える一方で、個々の志向性やキャリアプランにも耳を傾け、現場発の取り組みを尊重しながら運営しています。大学医局から派遣される形で2009年に入職した渡辺誠先生は現在、腎センターの運営に携わりながら、“ストップCKD(慢性腎臓病)外来”を立ち上げるべく奔走しているそうです。

渡辺誠先生
渡辺誠先生

「患者さんのためになることであれば、前向きな姿勢で周囲がサポートしてくれるのは助かります。当院の腎臓内科は、地域のクリニックと大学病院を取り持つハブ的な存在。病棟管理と並行して外来透析もこなすので、忙しいと言えば忙しいのですが、経営層やほかのスタッフのまじめさを見ると、日常の診療も、専門外来立ち上げも、患者のためになることであれば頑張らなければと逆に気持ちが引き締まります」

 経営層や現場スタッフが同じ方向を向いているからこそ、さまざまな改革がスピーディに進められてきた同院。科目や職種をまたいだ院内連携のしやすさに複数の医師が太鼓判を押す一方で、現場から口々に挙がるのが本院の老朽化問題です。組織が拡大しているからこそ、患者を応対するスペースが狭くなっている、常に満床状態のため新規入院患者の受け入れが追いつかない――。1942年の創立以来、建て増しを繰り返してきたことによって生じているこれらの課題を打破すべく機運が高まっているのが、2020年に予定されている本院の新築移転。急性期機能を持つ本院が、回復期機能を持つ蒲田分院の近くに移ることで法人内連携がさらに強化されると、整形外科部長の平出周先生は現場目線で期待感を語ります。

平出周先生
平出周先生

「新築移転に伴う増床によって、本院の慢性的な満床状態が緩和されるのは患者さんにとってもメリットが大きいはず。また、本院で急性期の治療を受けた患者さんを、回復期病床のある分院へとスムーズに橋渡しできれば、患者さんの身体的・精神的な負担を軽減できますし、包括的に診られる当院の強みがより活きてくるとも思います」(平出先生)

「この病院に来たことが、ターニングポイント」

 今後も医療機能の拡充を目指す一方で、同院が進めているのが、働きやすい環境づくりです。その大きな特徴と言えるのが、多施設で幅広い医療を展開しているがゆえの「選択肢の広さ」。ライフステージや志向性に合わせて、勤務先や業務内容を変更できる環境に身をおいたことで「医師として視野が広がった」と話すのは、腎臓内科の吉川央子先生。もともとは透析医療が専門だったものの、同院に入職してから急性期医療に魅力を感じるようになり、現在は育児をしながら、病棟管理と外来業務をこなしています。

吉川央子先生
吉川央子先生

「『いろんな働き方ができる』と事前に聞いていましたが、ここまでその恩恵に預かるとは思っていませんでした。業務時間中は忙しいので、目の前のことで手一杯ではありますが、子育てと並行しながらでもさまざまな患者さんに対応させてもらえるようサポートしてもらえるため、医師としてキャリアアップができていると実感できますし、本当に恵まれていると思います。わたしにとってこの病院に来たことは、人生の大きなターニングポイントです」(吉川先生)

子育て中の医師の支援体制について、2人の育児を経て現在消化器内科で働いている山﨑麻衣子先生は次のように語ります。

山﨑麻衣子先生
山﨑麻衣子先生

「当院で働いて10年以上経ちますが、みんなで患者さんを診ようという文化が浸透しているため、フォロー体制は万全。院内に保育室もあるので、育休中の医師も安心して戻れる環境だと思います。実際に、わたしもたくさんバックアップしてもらいました。現在は育児も一段落したので、今度はわたしが他の先生方をフォローする側にまわりたい。育児中の方も、そうでない方も、多くの先生方がやりがいを感じながら患者さんと触れ合えるよう、助け合いながらできることをやっていきたいと思います」

これまでの伝統を守りつつ、新しい風を

 地域やスタッフから、病院に求められているものは何か―。そのことを追求・実践しながら進化を遂げてきた牧田総合病院。多方面から新本院開院が待たれる一方、これからの同院を共につくっていく新しい仲間を求めています。

 新築移転を機に、次のステージに進もうとしている同院。地域に根付いた医療に取り組んでいきたい、どんなライフステージでも患者さんに貢献していきたい――そんな思いを持つ医師の挑戦が、これからの牧田総合病院をつくっていくのかもしれません。