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「20年後のスタンダードをつくる」桐和会が描く新病院の構想とは?

取材日:2018年3月12日(エムスリーキャリア編集部)

桐和会KV

 1980年代、都市部へのアクセスが優れていることから、ベッドタウンとして開発が進んだ千葉県浦安市。人気のテーマパークがあることで知られるこの地域は、今後急速に高齢化が進むことが危惧されています。来る2019年、桐和会はこの地に千葉大学とコラボレーションした新病院を立ち上げる予定です。回復期リハビリテーション・緩和ケア・認知症治療を主軸に、臨床・研究・教育を手掛ける一大拠点を構築し、法人としても次のステージに到達する見通しです。

 目指すのは「20年後のスタンダードをつくること」。法人設立から25年、駅前のクリニックからスタートした桐和会が、大学とタッグを組んで新病院を立ち上げるに至るまでの舞台裏には何があったのでしょうか。今回は病院運営という側面から、桐和会の現場の様子を取材しました。

「大学病院とは違う最前線を、桐和会で見つけた」

 桐和会がはじめて病院の開設に踏み切ったのは、2006年。認知症に対する適切な治療・療養ができる医療・社会環境を整えようと、全国でも珍しい認知症専門病院「川口さくら病院」を立ち上げたのが始まりでした。2013年には、近隣地域でも有数の規模となる緩和ケア病棟(38床)を持つ東京さくら病院を開設。両院とも、他では受け入れづらい患者層をターゲットに開設されたこともあり、外部医療機関との連携は急速に進んでいきました。地域に必要な医療機能を定義して、自らその穴を埋めに行く――。そんな桐和会での日常を、東京さくら病院で働く石田香苗先生は、次のように語ります。

石田香苗先生
石田香苗先生

「地域にとって必要な医療を提供しているという手ごたえを感じながら日々働いています。もともと私は大学病院の糖尿病内科で勤務しており、育児の事情で東京さくら病院に移ってきました。手技が苦手で不安もありましたが、患者さんの診療のために必要な技術は周りの医師から惜しみなく教えてもらえて、今では外科的な処置でも自分一人で対応できるようになりました。糖尿病内科で培った慢性疾患のコントロール技術を活かすだけではなく、自分の成長を感じながら働くことができています。大学病院とはまた違う”地域医療の最前線”で腕を磨いて、『医師に信頼される医師』になることが目標です」(石田香苗先生)

常勤医師は当直免除!徹底した“働きやすさ”へのこだわり

 石田先生のような女性医師が多く活躍している桐和会。徹底しているのは、働きやすい環境づくりです。川口さくら病院・東京さくら病院とも、常勤医師は男女問わず当直・オンコール免除。「働きやすい環境をつくることで、様々なバックボーンを持った医師が活躍できる、多様性のある環境を整えたい」と語るのは、東京さくら病院の東海林豊院長です。東海林院長は、東京都病院協会で医師の働き方改革を推進する人物でもあります。

東海林豊院長
東海林豊院長

「当院では、医師一人ひとりがどの程度の患者さんを受け持っているのかを数値で管理し、一部の医師に負担が偏らないように意識しています。ライフステージに合った働き方ができるように体制を整えているつもりですので、先生方にはぜひこうした環境を生かして、ご自身でキャリアを考え、実現していただきたい。一般病床で急性期の患者さんの治療に携わるもよし、慢性期の患者さんをじっくり診るもよし、緩和ケアで専門的な診療に従事するもよし――。必要な支援は惜しみません」(東海林豊院長)

 開設当初は「月間44人しか患者さんが来ず、集患にも苦労した」と振り返る東海林院長。現在では、周辺の医療機関との連携体制や、桐和会グループ内での患者紹介も活発化し、常に満床に近い状況が続いているそうです。

 徹底的に地域のニーズを見極めた経営方針と、現場医師の働きやすさを実現させることで急成長を遂げてきた桐和会。2019年4月には千葉大学との提携で新たに「城東桐和会浦安病院」(200床予定)を立ち上げるという一大イベントが控えています。

浦安の医療を守れ!桐和会と大学病院がタッグを組んだわけ

 このままでは浦安の医療は深刻な事態に陥る――。東京さくら病院から車でわずか数十分、かつて急速な都市開発が進んだ浦安市。地元行政は、今後急速に進展する高齢化の対応に、頭を悩ませていました。2015年時点で15.5%だった高齢化率は、2030年には20.4%に到達する見通し。一方でこの地域に回復期リハビリテーション、地域包括ケア病床の機能を持った医療機関は少なく、医療体制の再構築は大きな課題となっています。「千葉大学や浦安市と連携して、この地域に必要な医療提供をゼロから構築してほしい」桐和会はそんな公募に、名乗りを上げました。その経緯について、法人運営に携わる野口千明先生は次のように語ります。

野口千明先生
野口千明先生

「浦安市に必要なのは、地域医療です。人口動態や周辺の医療需要を分析したところ、回復期リハビリテーション病院として、東京さくら病院で地域包括ケア病棟、緩和ケア病棟を運営してきた桐和会の強みが、存分に活かせるのは明らかでした。

 民間の医療法人と、国立大学法人がコラボレーションする例は非常に珍しく、桐和会は新病院の設立によって、研究・教育機関としての機能を持つことができるようになります。新病院ではCT、デイサージェリー設備などの医療設備を導入する予定で、臨床・研究体制を整えていくのはもちろん、教育機関として、これまで桐和会が地域医療に挑んでいく中で得られた知見を次の世代にも伝えていきたい。浦安を出発点に、地域医療の先進的なモデルを描いていきたいと考えています」(野口千明先生)

 浦安市における地域包括ケアシステムの要となることが期待されている新病院は、26人の医師をはじめ、看護師や理学療法士、臨床検査技師など、合計310人の体制で運営される予定です。2019年4月の開業を間近に控えた今、共に法人の今後を盛り上げてくれる医師の参画を求めて、採用を強化しています。

「20年後のスタンダードを示せる法人でありたい」

 新病院の設立前夜の今、これからの法人のあり方をどのように描いているのか。最後に、岡本和久理事長にも話を聞きました。

岡本和久理事長
岡本和久理事長

「20年後のスタンダードになるようなモデルをつくりたい。この思いを実現するために求められるのは、これからも患者さんの話を聞いて、地域のニーズを見極めた上で、必要とされる医療を提供しつづけていくことです。医学知識を持っていることに自己満足するのではなく、眼の前の患者さんに思いを巡らせる。そして、これからの日本にどんな医療が必要とされ、そのために何をすべきなのかを、社会に提起していけるような存在であること。これからも、桐和会はそんなグループであり続けたいと考えています」(岡本和久理事長)