申込受付開始20分で満席!?医学生・研修医140人が集まる「大阪どまんなか」

研修病院ナビTOP > キャリアと臨床推論 > 申込受付開始20分で満席!?医学生・研修医140人が集まる「大阪どまんなか」

申込受付開始20分で満席!?医学生・研修医140人が集まる「大阪どまんなか」

「大学や病院を飛び出して、あの有名医師から実践的な指導を受けてみたい!」―そんな医学生・研修医の思いに応えるべく、「第2回大阪どまんなか~DPC-Domannaka Physical Club~」が2014年12月13日(土)に開催されました。問診や聴診など、五感をフル活用した実践的な内容を第一線の医師が徹底講義。文部科学省後援で行われたオールジャパンでの取り組みに、北は旭川から南は鹿児島まで、全国から医学生・研修医140人が集結しました。

ここまで多くの人を動かす「大阪どまんなか」とは何なのか―?代表の杉本崇行さん(大阪大学医学部6年)、次期代表の笹本浩平さん(京都府立医科大学医学部5年)に話を聞きました。

杉本さん(左)と笹本さん(右)

杉本さん(左)と笹本さん(右)

“大学にはない何か”を求めて

―多くの医学生・研修医に支持される理由は何だと思いますか?

笹本さん

「大阪どまんなか」では“大学にはない学び”を体験できるからだと思います。よく言われることですが、大学では座学、見学実習が中心で、診察や手技の実践的なスキルを磨く機会が少ない印象があります。これに対し「大阪どまんなか」は、主体的に体を動かすワークショップを大切にしています。

また、参加すれば横のつながりもつくれます。これも大きな魅力だと思っています。医学生・研修医は、所属大学や病院にこもり、世界が狭くなりがちなので、心のどこかで、「大学の外にも友達がいたら楽しいだろうな」と思っている人も多いのかもしれません。

わたし自身もその1人で、これまでいくつもの勉強会に顔を出し、学外の医学生や研修医と交流してきました。「大阪どまんなか」の開催を決意したのも、彼らと話すうちに「コンパクトに必要なことが学べ、友達がつくれる場が求められている」と確信したからです。

―かなり魅力的な講師陣から協力を得ていますね。

杉本さん

わたしも過去にたくさんの勉強会を企画、参加してきました。その中で、「特に面白い」と思った先生方に依頼したところ、わたしたちのコンセプトに賛同し、快く講師を引き受けてくださいました。

内容は各講師にお任せしていますが、医学生、研修医向けの教育・講演経験豊富な先生ばかりなので、ニーズを熟知した上で深い内容を提供していただいています。

笹本さん

若いころに実践的に学び、それを後進に指導し続けているベテラン講師陣です。「なぜこの知識・技術を身につけなければならないのか」という大前提を、これまでの経験に照らし合わせて解説して下さるので納得感が違う。「自分もできるようになりたい」と自然に思わせてしまうところが、非常に巧みだと思います。

杉本さん

講師だけでなく、「大阪どまんなか」の活動には大阪大学からもサポートを頂いています。文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業」としても位置づけられ、国家プロジェクトとして推し進められているというのも、大きな特徴だと思います。

問診のワークショップ

問診のワークショップでは、忽那賢志先生(国立国際医療研究センター感染症内科)・松本謙太郎先生(国立病院機構大阪医療センター)・北和也先生(市立奈良病院感染制御内科)がファシリテーターとして、実際の症例をもとに会場からの問診に応じる。

聴診のワークショップ

聴診のワークショップでは、徳田安春先生(JCHO研修センター長)が登壇。実際の心音をもとにⅠ音とⅡ音の聞き分け方や、Ⅲ音、Ⅳ音の有無を探るポイントを解説。

ポリファーマシーについて解説

北和也先生(市立奈良病院感染制御内科)はポリファーマシーについて解説。実際の処方例をもとに“問題のある処方は何か”をグループディスカッション形式で展開。

平島修先生のワークショップ

平島修先生(瀬戸内徳洲会病院総合内科)のワークショップでは、会場の医学生・研修医同士がお互いの心音を聞き合った。

「ここでできたつながりは、必ず将来、何かに活きる」

―「大阪どまんなか」の今後の展望について教えてください。

杉本さん

「実践的に学びながら、医学生・研修医同士がつながれる場」というコンセプトは、香川県や広島県、大分県などにも広がっています。地域ごとのニーズに応じてカスタマイズされた形で、全国各地に同様の取り組みが広まっていけばいいと思っています。

笹本さん

個人的に、「大阪どまんなか」に参加して下さった皆さんは遠い親戚のようなものだと思っています。ここで得られたつながりは必ず将来、活きてくると思います。

「大阪どまんなか」がこれからどう発展していくか、ぜひ多くの方に見てもらいたいですね。その上で、コンセプトに共感して、同様の取り組みをしたいという方がいれば、出し惜しみせずにノウハウを提供し、協力していきたいと思っています。そのためにはわたしたちもここで止まっていけない。前に進まなければなりませんから。

取材を終えて

著名講師によって1日がかりで行われた「第2回大阪どまんなか ~DPC - Domannaka Physical Club~」。初対面の医学生・研修医がチームを組み、ワークショップをこなしていたのが印象的でした。午前7時50分開始、午後8時20分終了という長丁場ではあったものの、会場は常に熱気に包まれていました。

多くの学びと出会いが得られる「大阪どまんなか」は、今後も定期的に開催される予定。「大学とは一味違う学びを得たい!」、「他大学・他病院の医学生・研修医とつながりたい!」―そんな思いを持った方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

片岡裕貴先生

兵庫県立尼崎病院呼吸器内科の片岡裕貴先生は、同院で行われている診療・教育・研究体制について講演。

佐田竜一先生

佐田竜一先生(亀田総合病院総合内科)はヘルスメンテナンスについて講演。患者と対峙した時、医師が知っておくべき疫学的なエビデンスなどを紹介。

山中克郎先生

最後に登壇したのは、山中克郎先生(諏訪中央病院 院長補佐)。自身が経験した症例をもとに、問診のワークショップを行いました。

*「大阪どまんなか」での著名講師による講演内容は、順次「m3.com 研修病院ナビ」上で掲載していく予定です

全体写真 全体写真