【開催レポート】総合診療を多角的、実践的に学べる! 第6回「大阪どまんなか」

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【開催レポート】総合診療を多角的、実践的に学べる! 第6回「大阪どまんなか」

大阪大学「地域に生き世界に伸びる総合診療医養成事業」が主催する「参加型の講義が魅力」「学校では学べないことを実践で教えてもらえる」と人気の総合診療勉強会「大阪どまんなか」が、2016年1月16日(土)に千里ライフサイエンスセンターで開催されました。

本イベントは、現場で活躍する先輩医師から専門分野のレクチャーを受けられるほか、参加者同士の交流も魅力と医学生・研修医に評判。北は旭川、南は久留米、さらにはイギリスからも、およそ110人の医学生・研修医が集まりました。

大阪どまんなか

今日の学びと出会いを、今後の医師人生につなげてもらえたら

本イベントは2014年9月に始まり、今回で6回目。代表の笹本浩平さん(京都府立医科大学6年生)は、「今日学んだことを自分のコミュニティで広めたり、深めたりしてほしい。著名な先生方と気兼ねなく話せる機会、新しい仲間との出会いを今後の医師人生に活かしてもらえたら嬉しいです」と語りました。

講演1:身体に触れて考える、平島先生の交流型ワークショップ

第1タームに登場したのは、名瀬徳洲会病院の平島修先生。臨床の傍ら、課外活動として身体診察のノウハウを伝授する「ジャパンフィジカルクラブ(以下JPC)」を主催しています。少し緊張気味の参加者を前に、軽妙なトークで会場を温めるところから講義はスタートしました。

平島先生は、現場の第一線で戦うのは初期研修医であること、新時代の医師は「患者とともに泣き、笑い、寄り添う」ことが大切と説いた後、JPCを実施。グループに分かれて、心尖拍動の診察ワークショップを行いました。

半数以上がJPC初参加であったため、慣れるまでに時間がかかってしまったグループもちらほら。「目を閉じて触診することで見つけやすくなる」とアドバイスする一面もありました。

レクチャー終了後、このワークショップで交流を持ったメンバーでランチに出かける光景が多くあり、新しい仲間との出会いを楽しんでいる様子も見受けられました。

平島先生

講演2:パターンにとらわれず「いかに診断するか」―生坂先生

第2タームの講師は、大阪どまんなか初登壇となる千葉大学医学部附属病院 総合診療部教授の生坂政臣先生。複合的な情報を整理して「いかに診断するか」をテーマに、医学生・研修医にはなじみのない症例からCommon Diseaseまで、ケーススタディを紹介しました。聴講者が自由に発言しながら生坂先生からのフィードバックを受けるという双方向型の講義に、会場全体が集中していました。参加した和歌山県立医科大学5年生の白木麻衣子さんは、「患者さんの症状をどのようにとらえて鑑別診断につなげるべきか、研修医になる前にノウハウを学べてよかった」と話してくれました。

生坂先生

講演3:研修医期間に「正しい先入観を作り、持つこと」が大切―金城先生

3人目の講師は、生坂先生と同じく初登壇となる、沖縄県立中部病院 総合内科の金城紀与史先生。「誤診のサイエンス」などのテーマで講義を展開しました。金城先生は誤診が起こる原因として、これまでの経験則や先入観が作用すること、コメディカルとの意思疎通がうまく取れないことの2点を指摘。「多くの症例を診て、検査結果に振り回されないこと。”正しい先入観”を持つことが大切です。それを身に付けられるのが研修医期間なので、頑張ってください」と、参加者にメッセージを送りました。

金城先生

講演4:今日の学びを振り返る、有意義なケースカンファレンス―志水先生

最後に登壇したのは、東京城東病院総合内科の志水太郎先生。6人1組になって患者の症状から病名をディスカッションする、ケースカンファレンスを実践しました。あらかじめ学年別に役割分担が与えられていたので、下級生から上級生までお互いに助け合い、協力し合いながら取り組む姿が印象的でした。大量の情報から必要なものを判別して答えを導き出すカンファレンスは、図らずも、生坂先生と金城先生の講義で学んだことを活かす絶好の機会となりました。

志水先生

次回開催は2016年6月

今回が6回目の開催となった「大阪どまんなか」。初参加のメンバーに感想を聞いてみたところ、「一般的な勉強会は講義を聞くだけで受け身になりがちですが、今日は講師陣や参加メンバーとしっかりコミュニケーションをとることができて楽しかったです」と大満足の様子。「次回も参加したいです」という声も多く聞かれました。

次回の「大阪どまんなか」は、2016年6月25日(土)に大阪大学中之島センター(大阪市北区)で開催予定。

《第7回 「大阪どまんなか」講師陣》

滋賀医科大学医学部付属病院 呼吸器内科 長尾大志先生

星ヶ丘医療センター呼吸器外科 百武威先生

静岡県立静岡がんセンター感染症内科 伊東直哉先生

大阪医科大学 総合診療内科総合診療科特任教授 鈴木富雄先生

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