卒後10年以内の医師が約半数!?若手医師が活躍できるフィールド

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卒後10年以内の医師が約半数!?若手医師が活躍できるフィールド

研修医が成長・活躍できる組織づくりで初期・後期研修医双方から高い人気を誇る姫路赤十字病院。

取材日 : 2022年5月
更新日:2023年7月

208名ほど在籍している医師のうち、20代の医師はおよそ3分の1、卒後10年未満が約半数(2022年4月当時)を占めるだけでなく、初期及び専門研修の双方から高い人気を誇り、優れた研修医教育で知られる姫路赤十字病院。研修医が成長・活躍できる組織づくりや、全体の3分の1は女性医師という、働きやすい環境づくりに取り組み、多くの研修医を惹きつける同院の魅力を探りました。

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質・量ともに充実 学びたいことが学べる環境

香川県(全人口97万人)、徳島県(同78万人)に匹敵する人口約85万人の中・西播磨医療圏。巨大医療圏であるにもかかわらず大学病院がないことから、2016年4月、同医療圏において最大規模の560床を誇る姫路赤十字病院は、DPC特定病院群、大学病院本院に準じた診療密度と一定の機能を有する病院として認められました。

また、急性・慢性疾患や悪性腫瘍の内科症例が豊富で、同医療圏の周産期診療を一手に引き受けるなど、中核病院としての役割も果たし、その環境は検査室でのエコー研修や病理診断科での研修など、初期研修のプログラムにも反映されています。

同院で初期研修を受けているS先生(初期研修1年目・当時)は、入職の経緯を次のように語ります。

「私は昔から子供が好きだったこともあり、小児科に興味があったので、小児科に強い病院を探していました。その中で当院は、先生方がすごく親切で人間関係のストレスが少なく、相談しやすい雰囲気があり、コメディカルの方々も優しくフォローしてくださる環境があったので、入職を決めました。また、当院は高度がん診療連携拠点病院として、チーム医療のための診療科も多く、幅広い症例が数多く集まることも魅力ですね」

実際、S先生は呼吸器内科を回った際、肺がん治療の方に対し、緩和ケアの医師と一緒にチーム医療を実践し、緩和ケアの診察も経験できる等、幅広い科が揃っている同院の強みを実感できたそうです。

また、初期研修2年目のK先生は、同院を「バランスのとれている病院」と話します。

「やる気次第で、いくらでも自己研鑽に励むことができる環境が整っています。手技は希望すれば担当できますし、救急外来は研修医の裁量も大きく、任せていただくことも増えています。また、後期研修中の医師も多いため、先輩の先生方が教わっていることを聞いて、実際に経験することがなかった症例についても勉強する環境があると感じています。
一方で、経験しっぱなしではなく、定期的には週3回朝30分程度、基本は1年目が実施する症例検討会でフィードバックをいただいたり、英語論文の抄読会を実施したりします。初期研修医向けの勉強会もあり、各科の先生が救急外来で使える知識を教えてくださる等、学んだことを確認する機会もしっかりあります」(K先生)

K先生が同院を選択した最終的な決め手は、先生方が優しくて病院全体の雰囲気が良いことだったそうですが、その上で質・量ともに「学びたいことが学べる」環境であることに感謝されているそうです。

S先生(研修医1年目)

S先生(研修医1年目・当時)

K先生(研修医2年目)

K先生(研修医2年目・当時)

制度化できない細やかなフォロー体制が最大の強み

同院で初期研修を受けたT・K先生(専攻医1年目・当時)が、同院の循環器内科(内科専門プログラム)に進むことを決めたのは、初期の時に先輩医師の様子を見て、充実した研修環境であることを認識したからだそうです。

ご自身も着実にキャリアを積んでいて、「造影を最初から最後まで担当、病棟での緊急対応も一人で行うようになる等、やりがいと同時に責任感も大きくなりました。1日平均6~7件のカテーテル治療にも、2~3件はメインやサブで担当しています。5月以降は循環器当直を、1年目の後半からは一人で外来も担当しますが、看護師さんをはじめコメディカルの方々のフォローが素晴らしく、病棟全体もまとまっているので、安心して診断できています」(T・K先生)

また、もともとは内科に進むつもりで同院を初期研修先として選択したT・M先生は、岡山大学病院の麻酔科専門研修プログラムに入り、専門研修1年目は同院で研修を積んでいます。

「必修で麻酔科を回った際に、急性期の管理にやりがいを感じて、志望を変更しました。ただ、こちらの麻酔科を研修して、そう決意したこともあり、基幹プログラムとしては岡山大になりますが、基本的には連携先である当院の研修を軸に、4年間のプログラムを組みたてたいと思っています」(T・M先生)

研修医の自主性を重んじるのが、姫路赤十字病院の基本スタンス。研修医一人ひとりの素養や方向性を踏まえ、基幹プログラムも連携プログラムも関係なく、研修内容には柔軟性が持たされているほか、先輩医師はじめ、周囲が親身にアドバイスを送ります。こうした制度化できない細やかなフォロー体制が最大の強みなのでしょう。

T・K先生(専攻医1年目)

T・K先生(専攻医1年目・当時)

T・M先生(専攻医1年目)

T・M先生(専攻医1年目・当時)

「迷ったら攻める!」 ~「面白い」と思ったことを追求できる環境を~

20~30歳代が在籍医師の最大ボリュームを占める同院。研修医教育に注力する背景には、地域医療の発展に向けた長期戦略があります。

「関西でも、京阪神に比べ姫路播磨地域は医師が少ない。だからこそ将来、この地域の医療を支える人材を当院が輩出しなければならない。そのためには、若い人がパワーの源になるので、若手の教育には力をいれたい」と岡田裕之院長は語ります。

「当院は『働きたい病院、治療を受けたい病院』をスローガンにして、地域から選ばれる病院を目指しています。
具体的には、がんを中心とした高度医療及び先進医療が整っている他、救急搬送件数も多く、総合周産期母子医療センターをはじめ、地域の最後の砦という認識で、プライマリケアまで幅広く色々な疾患を受け入れています。
また、そこで働く研修医は、必修以外は進路に即してフレキシブルに回りたい科を決定できます。『読んで・見て・触って』が基本の研修で、『触って』の部分を早期からやってもらうようにしているのが特徴的です」

研修に力を入れる背景には、医師の向上心に応え、中核病院として地域に貢献していきたいという思いがあるようです。例えば、研修医専用医局・クリニカルスキルスラボを併設した研修医棟、循環器系や呼吸器系の機能アップ、必修科目である「地域医療」の強化、学会活動や資格取得の推奨、da Vinciなど最新機器を導入した高度医療の推進など、「医師が常に最先端を追いかけられる環境」の整備も惜しみません。

若手医師教育に力を注ぐ一方で、「ここにずっといなさい」というわけではありません。

「状況が変わっても柔軟性を持てる力を養うために、長期的な視野を持ちながら希望の場所で経験を積み、そしていつか成長して帰ってきてほしい。そこで選択が必要な時は『迷ったら攻める!』 です。積極的な考えによる選択を選んだ方が後悔は少ないはずですからね」(岡田院長)

岡田裕之院長

岡田裕之院長

研修センター長からのメッセージ

姫路赤十字病院は、姫路市と中・西播磨地区を合わせた約85万人もの医療を支える総合病院のため、common diseaseからがん診療をはじめとする先進医療まで様々な疾患に対応しております。臨床研修においても、豊富な症例数を積極的に学ぶことができるほか、知識や経験のみならず、チーム医療を実践していく上でのコミュニケーション能力など、医師として必要なスキルを身につけることができるでしょう。また、当院では指導医やコメディカルスタッフをはじめ、病院全体で研修医を手厚くサポートする環境を整えています。

今後も研修医の皆さんの意見などを活かすことができるような体制づくりを心がけ、充実した研修生活を過ごしていただくよう研修センター長として努めてまいります。

筑木隆雄先生

第三消化器部長兼研修センター長
筑木隆雄先生