検疫所では日本に入国(帰国)するすべての人に対して検疫を行います。
発熱や咳といった症状がある人、体調や健康に不安のある人の症状や滞在歴等を調査し、感染症に感染している疑いがある場合は、検査を実施し、医療機関を紹介します。
海外渡航者の健康状態や渡航先、渡航期間、渡航先での活動内容などに、渡航医学全般の知識を活用して健康相談を行います。
黄熱の予防接種に係る予診や接種の他、副反応が出た場合の対応方法、渡航先で推奨される予防接種などの相談にも対応します。
国際的な感染症危機に迅速に対応するために、検疫所では様々な訓練を実施して有事に備えており、各種訓練の企画立案等も大切な役割の一つです。
また、空港で開催される様々な会議に健康危機や衛生管理に関する情報を提供し、病原体の侵入だけでなく、空港職員や環境に関する保健衛生レベルの向上に貢献しています。
検疫所は、日本の水際で感染症の侵入を防ぐ最前線です。検疫医療専門職は、渡航中に体調不良があった方への問診・診察を行い、国内に常在しない感染症(検疫感染症)の可能性を医学的に判断します。感染対策の助言や医療機関等との調整も行い、臨床経験を活かしながら、専門性と判断力を発揮して、日本の感染症対策を支える責任とやりがいにあふれた仕事です。
また、これから海外へ渡航する方への健康相談や予防接種にも携わり、渡航先や健康状態に応じた感染症予防やワクチン接種について専門的な助言を行います。検疫所の医師は、感染症内科を専門としていなくても、国際的な感染症危機から日本を守りたいという意欲があれば、全国各地で活躍の場があります。勤務しながら社会医学系専門医・指導医を取得することも可能です。仕事と学び、子育て等を両立しやすい環境づくりも進めており、育児や介護と両立しながら活躍している職員も多くいます。
水際対策の最前線で、一人ひとりへ丁寧に対応することが、日本全体の感染症対策につながります。検疫医療専門職の業務では、臨床医学だけでなく、公衆衛生や危機管理など幅広い視点を身につけながら、知識と経験を活かして社会に貢献できます。
基本的な勤務時間: 9:15~17:30(早出遅出勤務、休憩時間の短縮制度を利用)
| 9:15 | 早出遅出勤務制度を利用し、子ども達を小学校と幼稚園に預けてから登庁。メールチェック、厚生労働省からの事務連絡や通知の確認。 |
| 10:00 | 検疫医療専門職との引継ぎ及び打合せ。健康管理医の業務の進捗状況について確認。 |
| 11:00 | 健康相談に使用する資料、研修の講義資料、マニュアル等の内容確認、添削。 |
| 12:00 | 昼食休憩(休憩時間の短縮制度を利用)。 |
| 12:30 | 夜勤職員への引継ぎに参加し、検疫措置の内容確認、検疫対応における重要事項を周知。 |
| 13:00 | 厚生労働省、保健所、医学部等からの研修生に対し、検疫業務について説明し、現場見学に対応。 |
| 14:00 | 到着便対応。航空機内や健康相談室で有症者の問診と診察。 |
| 15:00 | 他省庁との会議や支所長・幹部職員との打ち合わせに出席。 |
| 16:00 | 決裁書類の確認。 |
| 17:30 |
夜勤職員に対応を引き継ぎ、退庁(休憩時間の短縮制度を利用)。 ※まだまだこの後も入国者は到着します。 |
“ 臨床の経験と公衆衛生の視点を強みに。子育てと両立しながら挑む水際対策の最前線 ”
専門科:小児科
もともと微生物に興味があり、大学では微生物の研究に取り組んでいました。大学の医学史の講義で、ジョン・スノウやルイ・パスツールらの功績に触れ、感染症から社会全体を守る公衆衛生の仕事に強く惹かれるようになりました。その後、公衆衛生大学院で感染症疫学を学び、さらに患者さん一人ひとりを診療できる医師を志して医学部に学士編入し、卒業後は小児科医として臨床を経験しました。
小児科では感染症診療や予防接種に携わり、予防医学の重要性を実感しました。その一方で、「社会全体の感染症対策に貢献したい」という思いは変わらず、厚生労働省のIDES養成プログラムに参加しました。研修の一環で検疫所の業務を経験し、臨床医としての知識・技術と、公衆衛生の視点の両方を活かせる仕事であることに大きな魅力を感じ、研修終了後に羽田空港検疫所支所に入職しました。
検疫医療専門職は、目の前にいる病気の人を診察するだけでなく、その判断が日本全体の感染症対策につながる仕事です。臨床医としての専門性と公衆衛生の視点の両方を活かし、人々の健康と安全に貢献できる点に、大きなやりがいを感じています。また、検疫所は育児や介護に関する制度が充実しており、私自身も二児の母として、仕事と家庭を両立しながら働くことができています。
● 検疫業務
感染症/渡航医学の知識を活かし、体調不良上陸者に係る診察、検査、感染症拡大リスク評価を実施しながら、法に基づいた措置を判断します。臨床と公衆衛生の視点で感染症の国内侵入を防止するため、国際機関からの情報を集め、医療機関や自治体と意見交換し、担当空港や港湾の構造と地域実状にあわせた水際対策を構築するのも醍醐味です。また、渡航前後の健康相談や予防接種相談を通じて、国民皆様の健康にも貢献しています。
● 危機管理
国際的なアウトブレイク発生時の空港/港湾における適切な感染症危機管理を目指し、訓練を重ねています。航空機での患者移送や拠点病院への患者搬入など様々な想定に合わせて訓練を企画・実施します。また、総合訓練では医療機関はもとより、自治体や救急/保安関係機関等と連携し、医師としての知見を活用しながら、地域の実状に即した対応方針の検討や調整を行い、平時から水際対策の構築に努めています。
基本的な勤務時間: 8:30~17:15
| 8:30 | 出勤、メールチェック、本日の課内業務予定の確認 |
| 9:00 | 決裁書類のチェック |
| 10:00 | WHO等国際的な組織のwebサイトで感染症流行状況をチェック |
| 11:00 | 黄熱予防接種の相談・予約対応 |
| 12:00 | 昼食休憩 |
| 13:00 | 電話相談対応(出国前の予防接種に関する相談や帰国後体調不良など) |
| 14:00 | クルーズ客船検疫の事前書類チェック |
| 15:00 | 管内医療職オンラインミーティング |
| 16:00 | 有症者対応、報告書作成 |
| 17:15 | 帰宅 |
“ 麻酔科から未知の領域へ。臨床の専門性と調整力を武器に、国の健康を守る ”
専門科:麻酔科
私は初期研修修了後に麻酔科を専攻しましたが、COVID-19への対応を通じて知った検疫所の仕事に関心を持ち、見学を経て入職を決意しました。検疫医療専門職は、有症者対応や渡航に係る健康相談、黄熱予防接種など医学的知識を活かす一方で、法令の理解や関係機関との連携など、調整力・判断力も求められます。有事にはこれらの能力を総合的に発揮し、港湾や空港において国民の健康と安全を守る専門職として活動するため、大きなやりがいがあります。興味をお持ちの方は、ぜひ検疫所の見学にお越しください。
| 応募資格 | 1. 日本国籍を有する者 2. 日本国の医師免許を取得している者 3. 卒後臨床研修修了程度の臨床経験を有する者、これに加え、検疫所業務及び感染症に理解のある者 |
|---|---|
| 選考方法 | 1. 一次選考:レポート審査、書類審査 2. 二次選考:人物試験(面接) 面接日時:随時 面接会場:最寄りの検疫所または厚生労働省 |
| 勤務条件 | 1週間あたり38時間45分、週休二日制 (海港検疫所では、原則として土・日曜日及び祝日が休み/空港検疫所では、主にシフト制勤務) |
| 給与 | 「一般職の職員の給与に関する法律」に基づき医療職俸給表(一)を適用し、経験等を考慮の上、決定 その他、同法の規定による諸手当(初任給調整手当、通勤手当等)の支給 |
| 想定給与 | 臨床研修(2年間)修了後 4年目で約1,050万円 10年目で約1,220万円 20年目で約1,460万円です。 ※上記の額は、今後の給与改定等により、変更されることがあります。 ※上記の他、要件を満たす場合には、住居手当、通勤手当、特殊勤務手当等の諸手当が支給されます。 ※勤務所属や担当職務によって、給与の額が変わる場合があります。 |
| 住宅 | あり(希望により公務員宿舎を貸与) |