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医師のキャリアアップと地域貢献が両立する山形県立病院

取材日:2022年2月10日(エムスリーキャリア編集部)

山形県_KV

 東京から飛行機で約1時間、新幹線で約3時間に位置する山形県。山・海・川の豊かな自然に囲まれ、「温泉王国」・「食彩王国」として名を馳せる、大変住みやすい県です。そんな山形県の医療を守り支えるのが4つの県立病院です。高度急性期、ケアミックス、精神科単科病院など、県全域または各地域の基幹病院・中核病院として多様な機能を果たしながら、互いに連携し、県民の健康を守っています。また、新たな医療にも積極的に取り組み、医師のキャリアアップに適した環境を整えている山形県立4病院。それぞれの特色ややりがい、学びやすさなどについて取材しました。

県立病院は「県内トップの医療グループ」

 山形県は、病床数に占める自治体病院の割合が45%(令和元年)で全国1位。自治体病院が中心となって県内医療を支えていると言っても過言ではありません。そのような中で、「中央病院」(山形市)、「新庄病院」(新庄市)、「河北病院」(西村山郡河北町)、「こころの医療センター」(鶴岡市)という4つの県立病院は、県内トップの医療グループとして、県立病院同士はもちろん、他の医療機関との連携も強化しながら、県民に高度で良質な医療サービスを提供し続けてきました。 山形県病院事業管理者の大澤賢史氏は、県立病院の状況についてこう語ります。

大澤賢史氏
大澤賢史氏

「私たち山形県病院事業局のミッションは『県民に安心・信頼・高度の医療を提供し、県民医療を守り支える』です。県内の二次医療圏は『村山地域』『最上地域』『置賜地域』『庄内地域』の4つに分かれていますが、県立中央病院などの大規模病院を抱える村山地域以外の地域は『医師少数区域』に該当します。医師の偏在化が顕著になっていることに加え、住民の高齢化が進み、医療への需要はますます高まっていくものと思われますので、医師不足の解消が重要な課題となります。そこで、『運営基盤を強化し、時代が求める医療ニーズに応える』をビジョンに掲げ、一緒に働いていただける意欲的な医師を求めています。」 (大澤賢史氏)

診療の約半分は救急、県内屈指の三次救急病院

 山形県の医療の中心的役割を担う県立中央病院(609床、34診療科)。救命救急センターが設置され、診療の約半分は救急医療、もう半分はがんをはじめとする急性期医療で、都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受けています。さらに、総合周産期母子医療センターや基幹災害医療センター、第一種感染症指定医療機関、臨床研修指定病院など多様な機能を担いながら、高度で専門的な医療を提供しています。院長の武田弘明先生は、近年のトピックスについてこう語ります。

院長 武田弘明先生
院長 武田弘明先生

「当院では、医療安全を大切にする文化を醸成したいと考えています。日本病院会の『QIプロジェクト』に参加し、医療安全部がインシデントやアクシデントを1件ずつ分析し、現場にフィードバックしています。また、専従看護師による医療ADRにも取り組み、医療紛争が生じた際には、看護師が患者さんと病院側の間に立ち、話し合いによる紛争解決を目指しています。その他、2年前に『患者サポートセンター』を新設し、患者サービスの向上にも努めています。ハード面では、2021年度中に『ダ・ヴィンチ』を導入する予定で、外科系医師のモチベーション向上にも寄与できるものと考えています。」 (院長 武田弘明先生)

 同院の魅力は、研修医に選ばれ続けていることにも表れています。

「初期研修は1学年16人の枠を設けていますが、ここ数年ずっとフルマッチです。専門医プログラムも内科・外科・病理・麻酔・救急を揃えており、病院全体で後輩を育てようという意気込みを強く持っています。当院で研修を受けるとよき指導医に出会えるということが、医学生の間で代々受け継がれているように思っています。」

 武田院長は、入職してほしい医師像についてこう考えています。

「何よりも当院の理念である『県民の健康と生命を支える安心と信頼の医療』を大切にしていただけること。そして、チーム医療とご自分の理想とする医療を両立してくださる医師を期待しています。」 (院長 武田弘明先生)  

2023年秋には新病院オープン、体制強化中の地域中核病院

 最上医療圏で唯一の中核病院である新庄病院(454床、20診療科)は、一次医療から三次医療の一部まで幅広く対応しています。山形県医療計画の5疾病・5事業に合わせて、がん、心疾患、脳血管疾患、小児医療、周産期医療、災害医療などの体制を整えています。 2023年秋には新病院が開院予定。院長の八戸茂美先生に、今後の展開について伺いました。

院長 八戸茂美先生
院長 八戸茂美先生

「新病院開院に併せ、新たに9つの診療科の設置を予定しておりますが、そのうち『血液内科』と『腫瘍内科』については、関係団体等の御協力もあり、大幅に前倒しして開設することができ、現在は常勤の医師が活躍しております。また、新病院には新設の『救命救急センター』に隣接して地上ヘリポートが設置されます。これにより、三次救急の治療が必要な患者への対応では、ドクターヘリ等を活用し県立中央病院等へ搬送することで、搬送時間の短縮が見込まれます。 当院は、少子・高齢化の進む最上地域で唯一の基幹病院として、これからも様々な機能を維持し、役割を果たしていくため、地域内の町村立病院や診療所などと連携を強化していきます。特に、周産期医療の分野では、地域で唯一の分娩取扱い医療機関として、これからも機能を維持していきます。

 当院の特筆すべき特徴の一つに、医局間の垣根が低く、気軽に他科の医師に相談できる点が挙げられます。これは、地域医療を学ぶという観点からすれば、非常に良い環境が整っていると自負しております。例えば、廊下ですれ違ったときに声を掛けたり、病棟で会った際に話をしたりということが日常的に行われています。また、診療前の時間を活用し、診療部の部長が一堂に会し、情報共有や意見交換を行う、通称『朝会』も毎朝実施し、風通しのよい病院づくりを心がけております。忙しい病院ではありますが、今後は、働き方改革についても積極的に取組み、医師の負担軽減に力を入れていきます。」 (院長 八戸茂美先生)  

 八戸院長は、応募を検討している医師に向け、こうメッセージを送ります。

「当院では、病院憲章である『仁・愛・和』の心を持って地域住民に信頼と安心を与える医療を提供しています。住民を愛する先生、地域医療を愛する先生にぜひ来ていただきたいと思っています。地域の方々の期待に応えるべく、お力を貸してください。」 (院長 八戸茂美先生)  

ケアミックス型の「ハブ病院」として地域を守る使命

 河北病院(136床、16診療科)が立地する西村山地域は、寒河江市を中心に河北町、西川町、大江町、朝日町などの市町村で構成されています。同院は山形県立病院の中で最も歴史が古く、昭和22年に前身の日本医療団谷地病院として発足。その後、県が運営を引き継いだ後、本県最初の県立病院として河北病院と改称されました。

 地域の高齢化に合わせて柔軟に病床転換を行い、現在は急性期病床(60床)と地域包括ケア病床(50床)、県内最多の緩和ケア病床(20床)を併せ持つケアミックス病院として、地域を守っています。院長の深瀬和利先生は、同院の方針について次のように語ります。

院長 深瀬和利先生
院長 深瀬和利先生

「当院で大切にしているのは、病院の全スタッフが患者様やそのご家族に対して親身に対応すること。そして厚生労働省のガイドラインに沿った医療レベルをマストで維持し、患者様に提供することです。

 一次・二次救急やポストアキュートなど、当院で診られるものは総合的に対応し、高次医療機関への紹介が必要であればスムーズに紹介する。そうした『ハブ病院』として地域に貢献したいと考えています。小規模病院のため、1人の医師が対応する症例数が多いというメリットがあります。研修で回ってくる山形大学の医学生と話していると『小規模病院であるがゆえの良さがある。科の枠を超えて様々な知識を吸収できる』と聞きます。

 また、当院の特色として、大腸CT検査が挙げられます。320列マルチディテクタCT装置の導入、放射線科の常勤医の在籍で、検査件数は1500件(累計)で県内トップになりました。大腸CT=当院というイメージができあがり、山形市や米沢市からも紹介いただいています。2021年度からは温泉宿泊型の人間ドックも始め、非常に好評です。」 (院長 深瀬和利先生)

 深瀬院長は、入職を検討する医師に「総合診療的なマインド」を期待していると言います。

「『病気を診る前に患者さんを診る』という視点を持ち、患者さんをトータルで診られる医師を求めています。当院には緩和ケアもありますから、がんの診療では診断から手術、緩和まで一つの流れを作ることができます。そうした診療に意欲のある医師は、特にやりがいを感じられると思います。

 なお、当院は山形市内からの通勤圏にあり、20名程の在籍医師の大半が同市に住んでいます。山形空港や、新幹線の停車駅『さくらんぼ東根駅』にも近く、県外へのアクセスが良好な点も魅力の一つです。」(院長 深瀬和利先生)

幅広い年代、患者層、政策に対応した「精神科総合病院」

 こころの医療センター(213床)は、山形県内唯一の公立精神科単科病院です。もともとは山形県立鶴岡病院として地域の精神科医療を担ってきましたが、2015年に移転し、より診療機能を強化しました。院長の神田秀人先生は、診療体制についてこう説明します。

院長 神田秀人先生
院長 神田秀人先生

「主に成人のうつ病などを対象としたストレスケアユニット(33床)のほか、精神科スーパー救急病棟(48床)を持ち、精神的な症状のある患者さんの入院を24時間体制で受け入れています。また、子どもの診療にも注力しており、児童思春期を対象とした外来と病棟(15床)があります。病棟には院内学級を併設しており、入院したお子さんの学ぶ権利を守りながら治療できる体制を整えました。県内の少子化は進んでいますが、発達障がいと診断されるお子さんは非常に増えています。児童思春期外来は予約を待っていただく状況が続くほど、ニーズが高まっています。

 さらに当院では医療観察法病棟(17床)も設けています。心神喪失などの状態で、重大な他害行為を犯してしまった患者さんの入院治療を行う病棟です。厚生労働省と法務省の共同で運営しています。」(院長 神田秀人先生)  

 精神科単科病院の移転というと慎重な声が挙がりやすいものですが、同院は地域に受け入れられていると、神田院長は感じています。

「社会的な変化に伴い、うつ病などが一般的な疾患として認識されるようになったこともあり、子どもを含め幅広い年代の方が受診してくださるようになりました。医療観察法病棟も、退院した患者さんが何も問題を起こしていないことを分かっていただけました。ここ数年で、病院の周りには住宅が立ち並び、近くに商業施設もできて非常に賑やかになりました。当院は単科の精神科病院であるものの、幅広い年代・状態の患者さんの治療、政策医療に取り組んでいるため『精神科の総合病院』ともいえる体制で、経営面も順調に推移しています。」 (院長 神田秀人先生)

 神田院長は、新たに一緒に働く医師に対し、次のような思いを抱いています。

「精神的に問題を抱えている患者さんは、社会的に弱い立場にあります。そうした患者さんの身になって診ていただける医師であれば、どなたでも来ていただきたいと思っています。専門医や指定医を取りたい医師の希望に応えられる体制も整えています。」 (院長 神田秀人先生)

地域貢献だけでなく自身のスキルアップやQOLも

 県立病院はそれぞれの地域で中核的な役割を担っているため、医師が専門的な知識・技術を習得するにも最適な場です。「地域医療への貢献だけでなく、自身のスキルアップという観点でも、非常にやりがいのある環境だと自負している」と話す大澤賢史氏。

「県立病院の医師は地方公務員である『山形県病院事業局職員』として採用されますので、共済組合への加入や退職手当制度など、福利厚生面でも安心して働き続けられる制度が整っています。また、年次有給休暇とは別に夏季休暇やリフレッシュ休暇など各種休暇制度が充実しているほか、育児休業や育児短時間勤務など育児に関わる制度も整備されておりますので、男性医師も女性医師も安心して子育てとの両立が可能です。これからも医師の皆さんが働きやすい職場作りを推進し、精一杯バックアップしてまいりますので、我々と共に頑張っていただける医師に来ていただきたいです。」 (大澤賢史氏)

 長期的に安心して働ける環境のもと、地域医療への貢献と自身のスキルアップの両面が叶う山形県立病院で、ぜひ医師としてのキャリアを築いてみてはいかがでしょうか。