病院クチコミナビ

ログイン 会員登録

  1. m3.com CAREERトップ(医師求人・転職)
  2. m3.com 病院クチコミナビトップ
  3. プロジェクト求人
  4. 日本の縮図・兵庫県で公衆衛生医師に! 行政での勤務経験や専門分野を問わず、活躍の場が用意されています
取材 タイアップ記事

日本の縮図・兵庫県で公衆衛生医師に!
行政での勤務経験や専門分野を問わず、活躍の場が用意されています

取材日:2023年8月4日(エムスリーキャリア編集部)

兵庫県_KV

 摂津、播磨、但馬、丹波、淡路の「五国」から成る兵庫県は古くから「日本の縮図」と呼ばれています。大都市と豊かな自然の調和が固有の地域性を育み、それぞれに個性ある風土を根付かせているからです。一方、県民の安心・安全な暮らしを医療面から保つための取り組みは全県の統一的な姿勢で臨まねばなりません。その使命を担っているのが公衆衛生医師です。活躍の場は健康福祉事務所(保健所)や本庁など県民の健康な暮らしを支える公衆衛生分野です。

臨床医は一対一、公衆衛生医師は一対集団の医療を目指す

 公衆衛生医師の仕事は多岐にわたります。管内の市町や医療機関、医師会などと連携しながら、感染症対策や精神・難病保健対策、健康づくり、食品・生活衛生関連、地域の医療体制など幅広い業務に関わります。兵庫県の公衆衛生医師は本庁や計12カ所の健康福祉事務所に勤務しながら、前記の業務に携わります。幅広いフィールドで活躍する公衆衛生医師の多くは、かつて医療現場で臨床経験を積んだ医師です。県内の健康福祉事務所を統括する保健医療部長の山下輝夫部長(2013年入職)も心臓血管外科医から身を転じた一人。すでに県職員として活躍していた出身大学OBの誘いによるものでした。山下部長は「臨床医が一対一の医療であるのに対し、公衆衛生医師は社会の仕組みを活用した一対集団を目指します」と両者の違いを表します。

山下輝夫部長
山下輝夫部長

「大抵の臨床医は『自分の治療で患者が元気になる』といった分かりやすい医療を目指します。一方、公衆衛生医師は兵庫県の場合、約540万人の県民の健康に関わる幅広い業務にあたります。保健行政の役割はすべての施策を健康に寄り添う形にすることです。例えば、在宅の人工呼吸器の支援や不妊治療に対する助成などを進めています。しかし、社会性が強い分、一人一人の治療結果をつぶさに確かめる現実感に乏しい面があります。ですから、公衆衛生医師の実態は当の医師にさえ、あまりよく知られていません。その上、現在従事しているのは比較的ベテランの医師が多い。このため、県では次代を担う新たな力となる若い医師の募集を積極的に進めています。日本の縮図と言われる兵庫県だからこそ、好みや関心に応じて選べるフィールドはたくさんあります。各地域の特性に応じて数多くの現場や事例に向き合ったり、臨床医時代に培ってきた、それぞれの経験を生かしたりすることもできます」(山下輝夫部長)

経験のない若い職員の育成を図りつつ、業務改善にも力

 大阪府立成人病センターや国立がん研究センターがん対策情報センターの研究職を経て、現在は龍野健康福祉事務所の所長を務める味木和喜子所長(2011年入職)もまた、若い力を重要視し、業務にあたっている一人です。

味木和喜子所長
味木和喜子所長

「宝塚健康福祉事務所の所長の後、本庁の疾病対策課長、医務課長、健康局長を経て2022年、現職に就きました。現在は『地域医療の確保』『災害医療対策』『健康づくりの推進』の3点に特に力を注いでいます。運営面では自分の名前にも含まれている『和』を心がけています。龍野の事務所はこの3,4年、新型コロナウイルスの影響でいくつかの業務が滞っています。それを本来の姿に戻したいですね。しかし、担当するのは、経験のない若い人たち。そこで、彼らを育成しながら、旧来のやり方でなく、今日的な手法で業務の効率化を図りたいと思っています。若い職員の育成は事務所だけの話ではありません。全県的にも中間層のマンパワーが足りないと感じるからです。そこで、入職1~3年目の若手職員に一日でも早く任せられる体制を整えたい。県は『新しい働き方の促進』の一環で、主担当を補佐する副担当制やDXの導入を推進。一人の経験を他の人と共有することによる事務作業の負担軽減策も進めています」(味木和喜子所長)

少子高齢化時代見据えた、実践的な施策を打ち出す

 味木所長同様、「新型コロナウイルス禍で中断を余儀なくされた業務の再開は急務」と話すのは、内科の臨床医として勤務医時代を過ごし、恩師の勧めもあり学生時代から関心を持っていた公衆衛生の道に進んだ鷲見宏所長(2003年入職)です。

鷲見宏所長
鷲見宏所長

「中でも加速する少子高齢化は、行政サービスの提供を担う人を減らし、必要とする人を増やします。ですから、事務所長として、人の面でも予算の面でも限りある医療資源の有効な活用に心を砕いています。例えば高齢化対策では、『転倒⇒骨折⇒寝たきりの未然防止』『嚥下機能の低下や誤嚥性肺炎を招かぬようにするための口腔ケア』『他地区に比べて多い心不全対策』などを重点的に進めています。その効果を上げるため、病院や医師会、住民団体などとの連携にも力を入れています。多くの物事は健康福祉事務所だけで完結するのではなく、外部の人や組織との協力で成し遂げられるからです。現在の臨床現場が多職種連携で運営されているのと似ています。それだけに、事務所の単独判断だけではなく『自助、共助、公助』の精神で、総合的に取り組む姿勢が求められると思います。また、これまで経験したことがない新たな状況に向き合うことも多い中で的確な判断を下すために、科学的根拠を明らかにし、外国の状況や国際機関などの考えを参考にすることを心がけていますね。行政機関という性質上、外部からは『ちゃんとやって当たり前』と見られていますから」(鷲見宏所長)

公務員だからこそ実現できるワークライフバランス

 「特定の患者さんやその家族ばかりでなく、担当する地域全体の健康に関わることができるのが何よりの喜び」と鷲見所長が言及するように、臨床にはない醍醐味を持つ公衆衛生医師。医療職であると同時に公務員という側面を持っていることも特徴です。仕事に対して一定の責任を伴う一方で、公的な組織として働くため、職員同士が互いに助け合える仕組みが整っています。「ワークライフバランスもきちんと取れているので、子育てを考えている人には男女の別なく、働きやすいフィールドが用意されているはず」と山下部長も折り紙を付ける充実した職場環境について、味木、鷲見両所長はそれぞれ次のように話します。

「働き方というと『女性の』問題と捉えられがちですが、私は『男女の』問題だと思っています。職員には『子育てや介護(で負担をかけるの)はお互い様』と言っているし、余計な遠慮をしない雰囲気づくりに努めてもいます。臨床医の仕事との最も大きな違いは『時間(の管理)がきちんとしている』ことです。だから、子育てや介護との両立ができる。その分、就業時間中は効率的で生産性の高い仕事に打ち込む。いずれも、公務員ならではの利点だと思います。公衆衛生医師と言っても働き方は様々。困ったら上司や同僚に気軽に相談すればよいのですから、あまり構えず、この仕事に興味を持ってほしいですね」(味木和喜子所長)

「兵庫県はワークライフバランスを全庁的に推進する方針を明確に打ち出しています。その一環として導入しているフレックスタイム制のおかげで、私の勤務時間は原則的に7時45分~16時30分です。業務によっては在宅勤務を極力推奨しています。資料の丁寧な読み込みや発表資料の作成などは事務所よりも自宅のほうが集中できるからです」(鷲見宏所長)

大切なのは、専門でも経験でも知識でもスキルでもない

 公衆衛生医師を志す動機は人それぞれであり、興味を持ちながらも様々な不安を抱くのは致し方ないことでしょう。しかし、兵庫県で働く上では杞憂であると現場の医師たちは口を揃えます。

「前職の専門分野は問われないばかりか、未経験者でも問題ありません。入職後のフォローアップ体制もしっかりしていて、外部の研修に派遣される機会もあります。希望によっては社会医学系専門医が所得できるプログラムも用意されています」(鷲見宏所長)

「県が求める医師像に難しい基準はありません。ただし、コミュニケーション能力が高いに越したことはないでしょう。『専門的な知識や高いスキルが求められるのではないか』と心配する人がいるかもしれません。しかし、それらは入職後にいくらでも磨くことができます。大切なのは、ワイワイガヤガヤしながら物事を前に進められる一種のノリです。要するに、気の置けない家族のように振る舞える人です。実は、新型コロナウイルスが一段落したころ、部内で親睦会を開きました。気持ちよく杯を空けていたら、なんとサプライズで私の還暦を祝ってもらいました。想定外の出来事です。素直に嬉しかったですね。本庁であれ、健康福祉事務所であれ、職場にはそういう家族的な一体感があるように思います」(山下輝夫部長)


山下輝夫部長 山下輝夫部長

地域住民の命を守り、健康的な生活を創る使命感

 公衆衛生医師の仕事について、お三方からご自身の経験を踏まえた心がけや、やりがいなどを伺いました。それぞれの考え方を一括りにはできませんが、共通しているのは「地域住民の命を守り、健康的な生活を創る」ことに対する強い使命感です。保健所で経験を積んでキャリアアップを目指したい、県職員として地域社会に尽くしたい、臨床医時代の成果を地域住民のために役立てたいーーなど、この仕事を目指す人の動機は様々でしょう。臨床経験がある方、大学や研究所での勤務経験がある方、研修医の方などにも広く門戸を開けています。兵庫県保健医療部には公衆衛生に関心を持ち、意欲のある方が活躍できる舞台がたくさんあります。その舞台の主役になってみませんか。

 ※掲載されている医師の所属は2023年8月時点のものです。

兵庫県公衆衛生医師募集について

 兵庫県職員(公衆衛生医師)の募集  

お問い合わせ先

兵庫県 保健医療部 総務課
Tel:078-362-9464
Fax:078-362-3910
Mail:hokeniryou_soumu@pref.hyogo.lg.jp