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改革の狼煙を上げる鎌ケ谷総合病院。急性期医療の最前線で描く、次代の地域医療と医師のキャリア

取材日:2026年8月3日(エムスリーキャリア編集部)

鎌ケ谷総合病院_KV

急性期医療の最前線で地域を支えながら、医師としての専門性とキャリアを磨き続けるには何が必要か。変革期を迎えた鎌ケ谷総合病院では、2025年11月に就任した増井文昭院長のもと、高度先進医療の推進と次代の地域医療モデルの構築に向けた改革が進んでいます。今回は、病院の未来を牽引する増井院長、内科の要である登根副院長、「ロボット手術センター」の立ち上げを担った外科の平良先生に話をうかがいました。

「鎌ケ谷モデル」と高度先進医療の体制構築

ーー増井院長は昨年11月に赴任されて以来、病院全体の改革を強力に推し進められています。新体制の方針と、現在の状況について教えてください。

増井院長
院長 増井文昭先生

私が赴任する以前の当院は、これまでの積み重ねによって安定していた一方で、「変化」や「前進」に対して慎重な側面がありました。結果として手術件数や外来・入院患者数は経年的に減少しており、病床稼働率も満床に届かない状況が続いていたのです。そこで、これまで以上に地域に貢献し、先進的な治療を提供できる病院へと生まれ変わるために改革の狼煙を上げました。職員全員のベクトルを一致させるために掲げたビジョンが、「高度先進医療の提供」、そして2040年問題を見据えた「地域に貢献できる病院づくり」です。(増井院長)

ーー2040年問題を見据えた地域医療体制として、「鎌ケ谷モデル」という独自の構想をお持ちだとうかがいました。

ビジョンの実現に向けた重要な取り組みのひとつが、「人生100年ドック」を通じた高齢者の健康維持です。現役世代が健康診断が義務付けられている一方で、意外にも高齢者は健康診断を受ける機会は少ない傾向があります。人生100年ドックにより病気の早期発見・早期治療を行うことで、元気な高齢者がイキイキと生活できる期間を延ばそうという取り組みです。

たとえば、私は整形外科・腫瘍を専門としていますが、高齢者のがんにおいては骨転移が非常に多く見られます。骨転移による痛みで歩けなくなり、寝たきりから要介護状態(ロコモ)に陥るケースは少なくありません。そこで、脳や心臓だけでなく、がんの骨転移の早期発見や緩和照射も含めたオリジナルのドックを整備し、健康寿命の延伸を目指しています。

「切れ目のない在宅介護・医療体制の構築」もまた重要な取り組みのひとつです。高齢の患者さんが重症化してから入院すると、治療やリハビリに時間がかかり、結果的にご家族や介護施設の負担が増大して介護体制が破綻してしまいます。当院では「自救急」という仕組みを取り入れ、こちらから救急車でお迎えに行き、軽症の段階で入院・検査・治療を行い、速やかにご自宅や施設へお戻しする体制を整えています。

このように、多角的なアプローチで症状が重篤化する前に手を打ち、持続可能な地域医療と介護の連携体制を構築することを「鎌ケ谷モデル」として提唱しているのです。 (増井院長)

ーー高度先進医療の充実についても注力されています。具体的な取り組みをお聞かせください。

がんの手術件数が少ないことは課題だと捉えています。そのため、ロボット手術(ダヴィンチ)やトモセラピーなどの最新設備を活用し、消化器がんをはじめとするがん治療に注力していきます。

また、今後は婦人科を立ち上げ、婦人科がんの治療にも取り組んでいきたいと考えています。鎌ケ谷市で行われる乳がん検診と連携し、当院のブレストセンターを基盤として、ゆくゆくは婦人科がんを含めた「レディースセンター」へと発展させる構想を持っています。こうした新しいセンターの立ち上げや、高度先進医療を牽引する意欲と専門性を持った医師には、存分に腕を振るっていただける環境を用意しています。自らの強みをアピールし、外来や紹介患者を率先して増やしていけるような気概のある医師をお待ちしています。(増井院長)

若手にも執刀チャンスが豊富な「ロボット手術センター」の立ち上げ

ーー「ロボット手術センター」の立ち上げに関わることになった経緯と、当院を選ばれた理由を教えてください。

平良先生
ロボット手術センター・外科・消化器外科 平良済先生

私はこれまで10年以上にわたり外科医としてキャリアを積む中で、ロボット手術をもっと極め、広く普及させたいという強い思いがありました。ロボット手術ができる施設を自ら立ち上げ、稼働させていける環境を探していたところ、巡り合ったのが鎌ケ谷総合病院でした。当院には10年前からロボットが導入されていたものの、主に泌尿器科での稼働にとどまっており、今後は外科・消化器外科領域にも拡大していきたいという方針でした。まさにこうした病院の方向性が私のニーズと見事にマッチしたのが着任の経緯です。

当院を選んだ最大の理由は、徳洲会という「グループ病院の強み」です。全国にグループ病院があるため、大学病院の医局に属さなくても、グループ内連携により医療の質を全国規模で底上げできる土壌があります。また、プライベート面では空港へのアクセスが良いので、地元である沖縄県に週末を利用して日帰り帰省できる点も魅力的でした。 (平良先生)

ーー若手医師にとって、当院でロボット手術を学ぶ魅力はどこにあるのでしょうか。

一般的な病院では、複数の診療科でロボットを共有するため、外科に回ってくる枠は週に1回程度であるケースが多いです。その貴重な枠は、困難な悪性腫瘍の症例に当てられるため、自ずとベテラン医師が執刀することになります。つまり、ロボット手術の環境があったとしても、若手が執刀できる機会は限られているのです。

しかし当院は、現状ロボットを利用している診療科が限られているため、外科だけで週3回の枠を確保できています。これにより、大腸がんなどの悪性疾患だけでなく、鼠径ヘルニアのような良性疾患の手術にもロボットを活用できます。つまり、若手医師はトレーニングとして最適な症例を圧倒的な数こなすことができるのです。経験値を積むにはこれ以上ない環境だと言えるでしょう。私が指導医資格を持っているので、ロボット手術の術者資格を取得する環境としても最適です。 (平良先生)

ーー今後の「ロボット手術センター」の展望や、どのような医師と一緒に働きたいか教えてください。

若手医師の育成はもちろんですが、消化器外科専門医を取得済みの中堅医師にとっても、ロボット手術の技術を習得し、指導医を目指す上でWin-Winの関係を築けると思います。

また、ロボット手術に限らず、肝胆膵領域の専門医にもぜひ来ていただきたいです。当院には肝胆膵の症例も多く、専門医が加われば施設認定の取得も視野に入ります。やる気のある医師が集まり、お互いに切磋琢磨して良いサイクルを回すことで、病院全体をさらに活性化させていきたいですね。(平良先生)

少数精鋭だからこそ積める、圧倒的なカテーテル治療経験

ーー登根副院長には、内科分野のリーダーとしてのお話をうかがいます。赴任されてからの取り組みと、救急受け入れの強化について教えてください。

登根副院長
副院長 登根健太郎先生

私が2年半前に赴任した当時、当院には循環器内科の常勤医がおらず、カテーテル治療ができない状況でした。そこから体制を作り、現在では冠動脈の治療やペースメーカーの植え込みなど、私が中心となって対応しています。

また、増井院長が先頭に立って各科の救急受け入れの基準を明確化し、救急車の受け入れ件数を積極的に増やしていく体制が整ってきました。当院のキャパシティとしてはまだまだ救急を受け入れる余地がありますが、そのためにはマンパワーの拡充が不可欠です。一部のスタッフに負荷が集中して破綻することがないよう、人員を補充し、チームとして動ける体制を構築していきたいと考えています。 (登根副院長)

ーーカテーテル治療など、若手・中堅の医師が当院で経験を積むメリットについてお聞かせください。

カテーテル治療は、実際に自分の手を動かして数多くの症例を経験しなければ、細かいコツや感覚、合併症への対処法が身につきません。大規模病院で研修医や若手医師が大勢いる環境では、手技の順番待ちや奪い合いが発生しがちです。しかし当院のような少数精鋭の環境であれば、自らが主体となって手技を経験できるチャンスが圧倒的に多いです。失敗しても上の医師がカバーしますので、安心してトライできます。実際に他院から短期間研修に来た若手医師も、主体的に治療に関われたことで短期間で飛躍的に上達し、手応えとやりがいを感じていました。これは循環器内科に限らず、呼吸器内科や消化器内科など、内科全般に共通する当院の強みです。 (登根副院長)

ーー当院にはどのようなマインドを持った医師に来てほしいとお考えですか。

周囲のスタッフとの和を大切にできる医師と一緒に、チーム医療を作り上げていきたいと考えています。そのうえで、「自分の手で患者さんの病変を治したい」という熱意を持ち、積極的に動いてくれる方が良いですね。さらに言えば、常に「次に何が起こるか」「合併症のリスクはないか」を予測し、不安や警戒心を抱きながらも的確に動ける医師が理想です。 (登根副院長)

高い山を目指す医師へ――鎌ケ谷総合病院が用意する「挑戦の舞台」

ーー最後に、増井院長から転職を考えている医師に向けてメッセージをお願いします。

医師としてのキャリアを山登りに例えるならば、自分で「どの山に登るのか」を決めることが大切です。そして私は、山を登るのであれば、低い山ではなく、エベレストや富士山のような「高い山」を目指したい。もちろん、大きな風呂敷を広げて高い目標(アドバルーン)を掲げれば、それだけ大きな努力と責任が必要になります。しかし、険しい道を登りきった先には、平坦な道では決して得られない圧倒的な達成感と、医師としての真の成長が待っているでしょう。

現在の当院は、変革の真っ只中にあります。だからこそ、自分の手で「0から1をつくりたい」「1を10、100に成長させたい」という熱意を持つ医師にとって、これ以上ない舞台になるはずです。新しいビジョンに共鳴し、志を持って挑戦してくれる医師を心から歓迎いたします。私たちと共に、地域医療の最前線で高い山を目指しましょう。 (増井院長)

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