“7割が後期に残る病院”がプログラムを大幅アップデート 新専門医時代に活躍する医師になれる中濃厚生病院 | m3.com 研修病院ナビ

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“7割が後期に残る病院”がプログラムを大幅アップデート

新専門医時代に活躍する医師になれる中濃厚生病院

 初期研修医の多くがそのまま後期研修に残る病院として注目を浴びる中濃厚生病院(岐阜県関市、495床)が、いよいよ幕を開ける “新専門医時代”に活躍できる医師を育成すべく、2016年度から研修プログラムを大幅アップデートする―。そんな噂を聞きつけた編集部は、昨年に続き同院を取材しました。

研修医一人ひとりが理想の医師像を見つけられる病院に

  前回の取材では、約7割の初期研修医が後期研修に残ると聞いていましたが、2016年度も8割以上がそのまま後期研修に進む予定の同院。高い“勤続率”の背景には、「研修医の意志を尊重したい」という鷹津久登院長の思いがあるようです。

「研修医の声に耳を傾け、『当院にきて良かった』と心から思ってもらえるような研修をしたいと考えています。

 昨今の若手医師の一番の関心事は、2017年度から本格的に始まる新専門医制度ではないでしょうか。基礎領域は原則、1つしか専門医を取得できなくなりますので、初期研修中にさまざまな経験を積み、自分の適性を見極めることがますます重要になってきます。そういう意味では、『初期研修の2年間が医師人生を決する』と言っても過言ではない。だからこそ、後悔のない初期研修を送ってもらえるよう、プログラム内容や設備を改善しました」

鷹津久登院長
鷹津久登院長

プライマリケア能力を育むための新・研修プログラム

 これまで以上に厳格に臨床スキルが求められる“新専門医時代”に、同院の新・研修プログラムは、どう立ち向かおうとしているのでしょうか。

 新・研修プログラムでは、これまで好評だった“自由選択科目12か月間”を残しつつ、内容を大幅刷新。特に注目したいのが、当直などでファーストタッチした患者を、ローテート先が変わっても主治医として担当し続けられること。どの科にローテートしても、興味のある疾患を継続的に診続けられるようになります。

 実はこのシステム、新・内科専門医を取得する上でも有利なのだとか。新制度下では一定条件を満たせば、初期研修中の症例も専門医取得に必要な経験症例としてカウントされることになっており、同院ではそれが可能になる予定です。このシステムに込めた思いを、研修プログラム責任者の勝村直樹先生は次のように語ります。

「プライマリケア能力を身につけるには、患者さんを最後まで責任を持って診る経験が大切です。研修医には、自分のローテート科目にとらわれず、研修中に出会った患者さんととことん向き合って欲しい。雑務の時間は極力省けるようフォローし、1日2-3回は患者さんの元に足を運ぶように約束しています。

『to cure sometimes, to relieve often, to comfort always』という言葉のように、患者さんに寄り添える医師になってほしいと思います」

現場写真
数々の先端トレーニング機器が揃ったメディカルトレーニングセンターでは、現場へ出る前に手技を “予習”することが可能。
宮地加奈子先生(初期研修医2年目)
宮地加奈子先生(初期研修医2年目)
勝村直樹先生(プログラム責任者)
勝村直樹先生(プログラム責任者)

救急専門医からの「どう考える?」でスピード成長

 優れた研修プログラムがあっても、患者がいなければ宝の持ち腐れ―。その点、医療資源が乏しい岐阜県東部で1次-3次救急を担っている同院は、研修医1人あたり月100人ほどの救急患者にファーストタッチできるという充実ぶり。周辺に病院が少ないこともあってCommon Diseaseの症例に満遍なく触れられます。山本恭介先生(初期研修1年目)と山内翔先生(初期研修医2年目)は、救急指導体制の魅力を次のように語ります。

「指導医が救急科専門医を持っているので、非常に質の高い研修を受けられていると感じます。はじめのうちは、指導医から『この症例についてどう考える?』と質問されても、答えられないことも多かったですが、自分の考えの至らない部分について分かりやすく、親身にアドバイスしてもらえるので、とてもありがたいです」(山本先生)

「早ければ1年目の秋には当直を任されます。緊張はそれまでと比べものになりませんが、自分の成長を格段と感じます。2年目の今は、先輩医師がしてくれたように、後輩の処置が『ちょっと違うな』と思っても、まずは後輩なりの考えを聞くようにしています」(山内先生)

 そして、その研修医の“考える力”を育む指導体制の背景について、勝村先生が解説してくれました。

「指導医が最初からすべて教えると、考える力は身に付きません。わたしたちの指導は、『君はどう思う?』から始まります。その後に、エビデンスに基づいた選択肢を提示してフィードバックする。指導医全員で勉強会を開き、このような指導法を浸透させています」

山本恭介先生(初期研修1年目)
山本恭介先生(初期研修1年目)
山内翔先生(初期研修2年目)
山内翔先生(初期研修2年目)
カンファランス
朝や診療後には、M&Mカンファランスや症例検討会、シミュレーター研修などスキルアップの機会が多数!

数十年先の医師生活を見据えて基盤づくりを

 いまだかつてない高齢化社会を前に、大きく変わりつつある医療業界。2017年度から本格的に開始する新専門医制度などにも、早期に手を打っている同院ですが、鷹津院長は「研修医教育において大切にしているものの本質は変わらない」と語ります。

「初期研修医の皆さんには、体系的な勉強はもちろんですが、現場で見て、肌で触った感覚を大切にしてもらいたいと思います。500床規模の当院には、症例の幅広さと、急性期から緩和ケアまで診られる奥深さがあり、さまざまな患者さんに出会う“きっかけ”には事欠きません。現場で出会った患者さん一人ひとりから学んだこと、感じたことに真摯に向き合って、自分のキャリアを切り拓いて欲しい。それができて初めて、何十年もの医師生活を送るための基盤が育めるのではないかと考えています」

広々とした研修医専用医局
広々とした研修医専用医局
研修医
撮影中も談笑が止まらないほど仲のいい研修医の皆さん

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