初期研修医の7割が“後期研修もここで!”と思えるわけ
自分に最適なキャリアが見極められる中濃厚生病院
中濃厚生病院(岐阜県関市)では、初期研修医の約7割が、そのまま同院での後期研修に進みます。ここまで高い満足度の背景にあるものとは―? その魅力に迫りました。
急性期から慢性期までバランスよく研修可能「自分に最適なキャリア」を見極められる環境
「初期研修先の選択に際し、急性期から慢性期まで、さまざまな診療科で一通りの経験を積みたいと思っていました。
初期研修を終えようとしている今、将来どの診療科に進むにしても、ベースにプライマリケア領域の幅広い知識が求められることを現場で痛感しており、改めて当院を選んで良かったと思っています」
医学生時代は将来の専門科まで決めていなかったという曽我由夏先生。将来は腎臓内科に進むことを決めました。
「実際経験してみて、外科系より内科系の方が自分には向いていると思ったので。中でも腎臓内科は、慢性期と急性期に携わるバランスが、わたしにとってはちょうど良いと感じました。指導医の先生が丁寧に教えてくださった、電解質異常などの疾患に興味を持ったのも大きなきっかけです」(曽我先生)
このように急性期から慢性期まで、幅広く研修を積みたい研修医には優れた環境の同院。約38万人の中濃医療圏において、救命救急センターを備えた急性期病院として中核的な機能を果たす一方、「包括的な地域医療を提供したい」という法人ポリシーにのっとり、地域住民のCommon Diseaseにも網羅的に対応しています。
約7割の初期研修医がそのまま後期研修へ
直近5年のデータによると、同院の初期研修医のおよそ7割が、そのまま同院で後期研修を受けています。事実、見学や実習にきてその雰囲気の良さを読み取り、入職を決めた研修医も多いようです。初期研修1年目の関谷憲晃先生もその1人。
「医学生時代に当院で1か月間実習をした際、雰囲気の良さに惹かれました。研修医にも手技をやらせてもらえますし、『こういう風になりたい』と思えるような先輩医師もいる。入職後もこの部分にギャップはありません。先輩医師からのフォローがあるので、『何をしても大丈夫』という安心感がある一方、そこに甘んじず、早く1スタッフとして信頼に足る仕事ができるようになりたいです」(関谷先生)
同院のポリシーは、“病院全体で研修医を育てること”。「少なくとも初期研修6か月目までは、研修医の一存で患者を帰せない」など、研修医が抱え込み過ぎないよう、さまざまな院内ルールを設定しています。救急救命センターにも救急専従医が4人も在籍。濃密な指導を受けることが可能です。
「当直は1年目月4回、2年目月5回程度。希望に応じて増やすこともできます。時間外手当、宿日直手当も充実しているので、研修医であっても、働いた分だけしっかり還元されます。こうしたこともモチベーションを高めていると思います」(初期研修1年目の黒木将先生)
このように、研修医を支える体制を構築できたのも、初期研修から一貫して同院で活躍し続けるOB・OGがいるからこそ。今ではOB・OGが中堅となり、自らの経験を指導内容やフォロー体制に反映させています。研修委員会には研修医自身も参加し、研修内容を毎年ブラッシュアップしています。
包括的地域医療を提供する地域のかなめとして
2015年に112床増床し、495床の大規模病院へと生まれ変わった同院。救命救急センターを代表とした急性期医療を充実させた一方で、地域包括ケア病棟も新設するなど、急性期から慢性期まで包括的に地域医療に携わる体制が整いました。病院長の鷹津久登先生は、次のように話します。
「大部分の患者さんは、地域で医療を完結させて欲しいと期待しています。研修医にとっても、急性期から慢性期まで多種多様な疾患を経験できるのは、大きなメリットではないでしょうか」
現在も透析や人間ドックなどの現場で診療に当たる鷹津先生。英語論文の抄読会を開くなど、院長自ら研修医教育にも携わっているそうです。
患者さんを診て自分の適性を見極めたい人に
最後に、研修担当の勝村直樹先生に話を聞きました。
「『患者さんと良い関係をつくりたい』と心から思える人に来て欲しいですね。
すべての医師にとって研修医時代に受け持つ患者さんは特別な存在。わたし自身、初めて受け持った患者さんのことは、30年経った今でも忘れません。初期研修医としての2年間は、それだけ医師人生を左右するものになると思います。
医学生時代は、たくさん本を読んだり、医学部以外の友人との関係を大事にしたりして、広い視点を持って欲しい。そして当院での初期研修では、一人ひとりの患者さんに向き合いながら自分の適性や、これから目指すべき道を見つけ出してほしいと思っています。それが可能な環境が当院には整っていると、自信を持っておすすめできます」