3年連続フルマッチ!研修体制は毎年アップデート!「研修が楽しい」と研修医が評価する中濃厚生病院の魅力とは

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3年連続フルマッチ!研修体制は毎年アップデート!

「研修が楽しい」と研修医が評価する中濃厚生病院の魅力とは

年々定員を増やしながら3年連続フルマッチ人気研修病院・中濃厚生病院(岐阜県関市、495床)は、名古屋駅から車で1時間ほどの場所にあります。年間1.7万人の救急患者という豊富な症例数に加え、毎年アップデートされる研修制度も医学生を惹きつける魅力となっています。今回は、フルマッチを続ける同院の魅力と、新たにアップデートされた研修制度について取材しました。

(取材日:2019年6月4日)

新たに始まった「総合内科制」で、総合力の強化へ

初期・後期の両臨床研修で基幹病院(後期は内科専門医・総合診療専門医・麻酔科専門医)に指定されている中濃厚生病院は、1~3次救急を担う救命救急センターで年間1.7万人の救急患者に対応。さらには急性期のみならず、地域包括ケア病棟や緩和ケアセンターを新設するなど、回復期・慢性期にも力を入れています。地域の中核病院であり、症例豊富な環境は、実践的な診療スキルを身に付けたい医学生たちを惹きつけ、1年次12名、2年次7名の総勢19名が研修を受けています。

同院の魅力について、初期研修を始めて2か月の高井瑞貴先生(初期研修1年目)は、次のように語ります。

「救急ではファーストタッチができ、救急科専門医の先生方や先輩研修医に手厚く指導してもらっています。とはいえ、しんどい時もあります。医学的な対応のほかに、威圧的な態度の患者さんへの対応など、ファーストタッチを任されるからこその難しさもありますから。私の手に余るときは上級医が対応してくださって、その様子を見るのも勉強になっています」(初期研修1年目 高井先生)

同じく初期研修1年目の中田将旭先生は、学生のときに4回も病院見学に訪れたそうです。中田先生は、自身を惹きつけた魅力として、指導陣を始めとした“人”を挙げます。

「訪問するといつも病院の方々に喜んでいただけて、私が『循環器を見たいんです』と伝えると、『それならこの日にカテーテルを見学できますよ』と案内してもらえますし、好印象でした。指導もじっくりしてもらえる印象で、ここなら患者さんに向き合う医療を学べると感じたんです。

入職して思うのは、私たちのようなヒヨッコが成長するのにうってつけの病院だということです。症例数に加えて、指導体制が素晴らしい。指導医の先生方の指示や教えに筋が通っているから分かりやすいんです。一つひとつの判断に対して理由を説明してくださるし、先生同士で言うことがバラバラということもないですから」(初期研修1年目 中田先生)

豊富な症例数や、手厚い指導体制を肌で感じながら、各科を1年間ローテートしてきたのが古川穂高先生(初期研修2年目)です。1年間の研修を振り返ってもらいました。

「この1年間でできることが増えてきて、楽しいんですよ。興味を示せばチャンスをいただけるので、たとえば循環器内科では早い段階からカテーテルを経験させてもらえましたし、消化器内科では大腸カメラや胃ろう造設の一部を任せていただきました。

幅広くさまざまな経験をしたい気持ちは1年目と変わりません。2年目は自由選択科目が10か月もありますから、地域医療を多めにいくつかの診療科を回って、さらに多くの経験を積みたいと考えています」(初期研修2年目 古川先生)
※編注:2020年度からは臨床研修制度見直しにより、選択科目期間が変更となる可能性があります。

古川先生に限らず、初期研修医にとって「総合的な診療力」の習得は至上命題です。そのため同院で新たに始まっているのが、総合内科制です。これは、2020年度の制度見直しにより全国の臨床研修病院の研修プログラムに組み込まれる「一般外来研修」を見据えての対応でもあります。プログラム責任者の勝村直樹副院長が、その内容を説明してくれました。

「当院の強みである内科系を、ますます柔軟な運用にしています。そのための方策の一つが、内科系医師が合同で教える『総合内科制』の導入です。これにより、より多くの上級医でプライマリ・ケアの指導をしたり、通常は関われないICT(感染対策チーム)やNST(栄養サポートチーム)にも携われるようにしたりしています。来年度から始まる一般外来研修では、バージョンアップした総合内科制を用意する予定です」(勝村副院長)

高井瑞貴先生(初期研修1年目)

高井瑞貴先生(初期研修1年目)

中田将旭先生(初期研修1年目)

中田将旭先生(初期研修1年目)

古川穂高先生(初期研修2年目)

古川穂高先生(初期研修2年目)

勝村直樹副院長(プログラム責任者)

勝村直樹副院長(プログラム責任者)

新専門医は「初期・後期を同じ研修病院で」

初期研修も終わりに近づくと気になるのが、専門研修(旧:後期研修)です。2018年度に始まったばかりの新専門医制度では、専門医1期生がまだ出ていません。自身のキャリアを手探りで決めていかざるを得ない状況において、研修先を大学病院にすべきか、市中病院でも良いのかは答えが出ませんが、同院の相羽優志先生(専門研修1年目)からは、「内科系に限っては、初期・後期ともに同じ研修先を選ぶことが大事ではないか」という見解が出てきました。

「新専門医制度がスタートしたばかりで、やってみないと分からない部分も多い。それだったら、他の研修病院に移って新しい環境で始めるよりも、慣れ親しんだ場所の方が安心です。

私は初期・後期ともに当院を選んで、初期研修のときよりもかなり充実した日々を送れています。各科の先生方とは既に3年目のお付き合いですから、私のことを理解いただいた上で指導してもらえますし、コンサルや症例の紹介・逆紹介もしやすいです。
また、内科は集めないといけない症例が広範かつ多い。当院ならどんな症例が来るかも知っていて計画を立てやすいし、「症例の遡及登録」もできます。

初期研修病院を選ぶのは、専門研修まで見据えた方が良いのではないでしょうか」(専門研修1年目 相羽先生)

相羽優志先生(専門研修1年目)

相羽優志先生(専門研修1年目)

中濃厚生病院が研修に懸ける想い

最後に、病院長、副院長のお二人に、研修に懸ける想いを聞きました。

「研修中はどんどん上達しますから楽しいと思いますが、問題は成長スピードが鈍ったとき。仕事がルーチン化してモチベーションは下がっていきます。これを食い止めるために、『自分で決めるマインド』が大事です。自分で目標を定め、自分でモチベーションを上げる。だからこそ、研修医の皆さんには様々なチャレンジの場を提供したいと考えています」(勝村副院長)

鷹津久登病院長も、長いスパンでのキャリア形成が必要だと説きます。

「医学生・研修医の皆さんにとって、今は大変な時代だと思います。直近では新専門医制度が始まりましたし、将来は人口が減って患者が減るという話や、AIに仕事を奪われるのではないか、といった話まであります。

しかし、人の命を救い、生活を支える医師という仕事は、絶対に必要な職業です。医師としてのプロフェッショナリズムと能力を備えていれば、ニーズは必ずある。10年後、20年後にどんな医師になりたいかを見据えて、研修先を選んでほしいと思います」(鷹津病院長)

鷹津久登病院長

鷹津久登病院長