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取材 タイアップ記事

現役公衆衛生医師座談会
- 子育てと仕事の両立から考える ライフ・ワーク・バランス -

取材日:2023年3月30日(エムスリーキャリア編集部)

東京都_KV

 対住民というワイドな視点で、臨床にはないダイナミックな働き方ができる公衆衛生医師の仕事。中でも東京都で働く公衆衛生医師は、その大きなフィールドで活躍できる点はもちろん、福利厚生が充実していることも大きな特徴です。今回はワーク・ライフ・バランスという従来の概念を超えた「ライフ・ワーク・バランス」(ワークの前にライフがある)という観点から、一公衆衛生医師であると同時に、それぞれ子を持つ親でもある4名の医師に、座談会形式にてお話を伺いました。

 ― 妊娠・出産・育児に関する制度で利用した制度はありますか。

村田:部分休業を朝30分利用し、9時から17時15分まで勤務しています。まだ子どもが3歳なので、発熱などで保育園を欠席してしまい仕事を休まなければいけないことがありますが、有給休暇とは別に、子どもの看護休暇が年に5日まで取得できるため、ありがたいです。
杉山:入職時は、第2子を2駅隣りの保育園に預けており、登園・降園・通勤にとても時間がかかったので、育児短時間勤務の制度を利用し、1日の勤務時間を4時間55分に短縮していました。その後、子ども2人が同じ園に通えるようになり、夫と朝の送迎担当を分担し、現在は週2回朝30分、部分休業を利用しています。
渡邊:入職時、子どもが小学校高学年であったため、私自身は制度を利用していませんが、職場には産休や育休を取得している職員や、お子様の体調不良時に子どもの看護休暇を利用する職員もいます。
橋本:勤務開始時間が選べるので、私は10時出勤にしています。朝は娘とゆっくりできますし、通勤も快適です。娘の急な体調不良で保育園から連絡を受けることもありますが、そのときは妻と相談の上で、私が時間単位で子どもの看護休暇を取得し、迎えに行くことができます。

 ― お子様が生まれたことで、時間の使い方に意識の変化はありますか。

村田:夫と交代で保育園の送迎を行っていて、子どもの迎えの担当の日は、就業時間には仕事が終わるように計画的に仕事を行っています。
杉山:子どものおかげで、勤務時間とプライベートの時間のメリハリがつくようになりました。勤務時間中は業務に集中できますし、退勤後は、家のことに集中しています。家事についても、自分1人で行うことは効率化・短縮化し、子どもと一緒の時間は、なるべくゆとりを持てるように意識しています。
渡邊:できるだけ家庭での生活リズムを一定に保てるように、帰宅時間を意識して業務の予定を立てています。急な予定が入り帰宅が遅くなることもあったため、子どもが小学生の頃は民間学童等の放課後の預け先を複数確保するなど、外部のサービスを積極的に活用しました。
橋本:うちは比較的妻がやっていてくれますが、私も使える制度を利用しながら家事、育児に参加しています。何より、妻のキャリアも大切にしたいという思いがあります。

 ― 子育てと仕事の両立のため、工夫されていることはありますか。

村田:子どもが急に熱をだしてしまうこともあるため、その際は自宅保育をしながら仕事ができるよう、テレワークの申請をしています。
杉山:今年度は初めて取り組む仕事が多かったので、特にスケジュール管理・進捗管理を意識しています。私の現在の職場では、スケジュールを供覧できるので、できるだけ職場のスケジュール帳に予定を入力するようにしています。
橋本:確かにスケジュール管理は大事ですね。私は1か月、1週間のスケジュールを把握し、優先順位を決めてから1日の仕事を進めています。勤務時間中は完全に集中して仕事を進め、定時になったらさっと帰っています。
渡邊:私も帰宅したい時間から逆算し、業務の優先度をつけて1日の予定を組み立てています。時間がないからこそ、効率が上がるように業務工程を工夫することで、生産性の向上に繋げています。また、仕事を継続するにあたり、家族からの仕事への理解を得るのは大切なことと考えています。ありがたいことに息子が中学生となった今では、料理などの家事をサポートしてくれるようになりました。
一同:それは素晴らしい!

 ― 職場の上司や周囲の方からの理解やサポートがあると感じることはありますか。

杉山:職場の上司や同僚のみなさんは、小さい子どもがいながら働くことを理解し、応援してくれています。平日の勤務時間外に及ぶ業務や土日の業務、家族の体調不良による急なお休みや子どもの行事による有給休暇取得についても、みなさんが配慮してくださるので、本当にありがたいです。
渡邊:私も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い緊急事態宣言が発出され、子どもの小学校が休校になった際に、リモートでも業務ができるように上司が配慮してくれたので、安心して仕事を続けることができました。
橋本:誰かが休むとみんなその人をカバーするようにさっと協力して動き出します。休みやすく、時間単位の有給休暇も取りやすい雰囲気です。

 ― 趣味を楽しんだり、自分の時間を作ったりと、リフレッシュするための工夫はされていますか。

杉山:子どもが小さくてなかなか自分の時間を取れないので、子どもが楽しむ時間を、自分も一緒に楽しめる時間にできるように、子どもの興味があることに関する本を読んで知識を深めたり、逆に自分の興味があることに子どもを誘って一緒にやってみたりしています。
渡邊:私は体力向上のため、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ち着いた頃から水泳を始めました。プールで一人黙々と泳ぐだけですが、自分のための時間を楽しめる上に心身共にリフレッシュできるので、習慣化しています。
橋本:仕事も家庭も大事ですが、一人になる時間もとても大事です。ちょっと疲れが溜まってきたなと思ったら、時間単位の有給休暇を取って早めに職場を出たりしています。

 ― 仕事を続けていて、あるいは公衆衛生医師を志して良かったと感じるときはありますか。

村田:臨床医の頃と比べて、オン・オフがはっきりしているためライフ・ワーク・バランスがとりやすいです。プライベートの充実が仕事のモチベーションにもなり、継続的な好循環を生んでいると感じます。
橋本:そうですよね。私も研修医の頃はずっとスイッチが入った状態でしたが、今は基本的にはカレンダー通りなので、休日は完全にスイッチオフになります。休日に予定を入れやすいです。
渡邊:私も臨床医の頃よりも時間管理がしやすいため、家族との時間や自分の時間を楽しめるようになりました。子育てを含む実生活での様々な経験が実務にも繋がるのは、公衆衛生医師ならではだと感じています。
杉山:私は新型コロナウイルス感染症に関する業務が多いですが、クラスター等への対応を通して、発症予防と重症化予防の重要性を実感し、公衆衛生医師としてやりがいがあると感じています。また自分自身の成長につながる機会も多く、子育てと両立して仕事を続けていきたいと思います。

 ― 公衆衛生医師を志す方へメッセージをお願いします。

渡邊:最初から公衆衛生医師を志している人だけでなく、臨床や研究を経験してきた方もその経験や知識を活かし、公衆衛生分野でキャリアアップできると思います。
橋本:医師3年目の私が言うのも恐縮ですが、臨床医は標準的治療を、公衆衛生医師は標準的な職務を、単に「行う」ではなく「ずっと続けてゆく」ことが最も大切だと思っています。実際に働いてみると、公衆衛生医師は無理なく働ける息の長い仕事だと思います。
杉山:現在勤務している保健所の公衆衛生医師の仕事は、地域の健康課題に対して、地域の実情に応じた課題解決を考える仕事です。やりがいがあるだけでなく、日々新しい発見と気づきがある面白い仕事と感じています。ぜひ、一緒に公衆衛生医師として働いてみませんか。
村田:東京都は公衆衛生医師の採用人数が多く、研修なども充実しています。他地域の保健所では、医師が1人しかいない場合もあると聞きますが、東京都では保健所には2人以上の医師が配置されていますので、臨床医から転職する場合でも働きやすい環境にあると思います。みなさまのご入職をお待ちしています!!

 公衆衛生医師の仕事は、臨床とは異なり、多様なフィールドのなかでいろいろなバックグラウンドが活きるからこそ、「ずっと続けてゆく」こともできる仕事です。東京都では、ライフ・ワーク・バランスを保ちやすい環境が整っているだけでなく、研修制度等の入職後のサポート体制も充実しているため、公衆衛生行政の経験がない方でも、無理なくキャリアアップしていける職場です。家庭と仕事を両立したいという方、そして、広く地域に根差した仕事をされたい方は、まずお話だけでも聞かれてみてはいかがでしょうか。

医師プロフィール

村田 ゆかり先生

東京都健康安全研究センター企画調整部健康危機管理情報課課長代理(疫学情報担当)/ 子どもは3歳で、保育園に通っています。

杉山 美奈子先生

墨田区福祉保健部保健衛生担当(保健所)保健予防課長 / 子どもは3歳と6歳。同じ保育園に通っています。

渡邊 愛可先生

板橋区健康生きがい部(保健所)感染症対策課長 他ポストも兼務 / 子どもは14歳(中2)男の子です。心身の成長が著しく、親子の距離感が難しい年頃です。手がかからなくなってきた分、行動範囲も広がり気が抜けません。

橋本 智央先生

東京都保健医療局保健政策部疾病対策課課長代理(難病対策医療担当)/ 保育園に通う4歳のやんちゃな女児と、12歳(小6)のおとなしい男児で、家では2人ともYouTube漬けです。

※掲載されている医師の所属は2023年3月時点のものです。

休暇・休業等制度について(令和5年1月現在、東京都の場合)、詳しくは下記ホームページをご参照ください。※配属先となる各自治体の条例等によります。
東京都人事委員会HPトップページ>職員の任用・給与制度>職員の勤務条件
https://www.saiyou.metro.tokyo.lg.jp/kinmujyouken.html

お問い合わせ先

東京都保健医療局  

保健政策部保健政策課
公衆衛生医師担当
Tel:03-5320-4335
Mail:S1150301@section.metro.tokyo.jp