林寛之先生直伝!初期研修医の心得7か条(前編)
初期研修医の心得1 「田舎だから勉強できない」はウソ
医学生や若手医師から「へき地にいると医学的に遅れてしまうので焦っています」と言われます。これに対し僕がいつもお伝えしているのは、地頭力を鍛えてほしいということです。教科書の内容だけ覚えても、良い医師には絶対になれません。
患者さんのいる地域に行き、患者さんに触れて、初めてその地域で求められる医療が分かります。そういう医療を追求できる人は誰でも伸びています。
医学生・研修医の皆さんには、「幅のある良い医師」になってほしい。そのためには、いろいろな地域、規模、内容の病院で経験を積むことが大事です。都心部の病院や大学病院に行って学んだことは、地方では通用しません。その逆も同じです。それぞれのフィールドで学べることにまっすぐ向き合ってください。
初期研修医の心得2 文献を読み続けるべし!そのための3原則
文献を読む時間がないという話もよく聞きます。そこで、文献を読むための3原則を伝授します。(1)テレビを捨てる、(2)酒を飲まない、(3)文献の代金は自分で払う。この3点さえ守れば、必ず読めるようになります。自腹を切って「もったいない」という気持ちになれば読めるはず。まずは一日一文献から始めてください。
初期研修医の心得3 メンターを持つべし
持つべきものはメンターです。何事も最後に決断するのは自分自身ですが、メンターは常に道しるべになってくれます。
僕のメンターは研修医時代の上司である寺澤秀一先生です。救急を学びたいと思ったときに、北米型ERのあるトロント総合病院へ臨床留学することを勧めてくれました(「 【救急科の魅力とキャリア Vol.1】「救急はきつい」は嘘!? 林寛之先生が教える救急の魅力」 )。
ほかにも、寺澤先生の「家族を大事にできない医師は患者を大切にできない」という言葉に後押しされて、僕は娘が生まれたときに3か月の育児休暇を取りました。今もできるだけ朝4時に起きて妻と娘の弁当を作っています。僕のキャリアやライフスタイルが寺澤先生から大きな影響を受けているということが分かります。