林寛之先生直伝!初期研修医の心得7か条(後編)【救急科の魅力とキャリア Vol.5】

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林寛之先生直伝!初期研修医の心得7か条(後編)

初期研修医の心得5 「ちょいつら」な研修がベスト

たとえば、つらいことで有名な研修病院に文化系学生が行けば確実に潰されます。そうかと言って、楽な環境で腕利きの医師が育ったこともありません。少し大変な「ちょいつら」な環境を研修先として目指してください。

伸びる医師の条件は2つあります。まず、与えられた環境で頑張ること。やりたいことだけやる「つまみ食い研修」をしないでください。座学だけでは、患者さんの気持ちを察しつつ診断に必要な情報を引き出すことはできません。逆に現場経験だけあっても、珍しい疾患を見逃してしまいます。

もう一つの条件が、目標を持ち続けること。研修で習得すべき目標は、(1) インプットの強化で知識を集める、(2)アウトプットの強化で知識をうまく教育につなげる、(3)プロフェッショナリズムとコミュニケーション力を磨く―の3点です。

インプット・アウトプットを強化する方法の一例を挙げると、福井大学ではジャーナルクラブを設け、後期研修医が一つのトピックに対し100―150の論文を読み、内容を初期研修医が興味深く発表します。そうするとUpToDateを見ても、「よく書けているね」と言える程度の完成度になります。これを1人当たり年間4回は経験し、10年間も続けると優秀な医師になります。

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初期研修医の心得6 良い医師は怒らない

良い医師の条件の一つは、怒らないことです。チームで誰かがミスをしても絶対に怒らない。患者さんにも怒鳴らない。怒りをコントロールすることは医療職に必須の技術です。いい人を演じるスキルを身に付けてください。つらいときはどうすればいいか…笑ってください。

チームの士気が、医師である皆さん如何に掛かっています。いずれ現場のリーダーとして上の立場になったら、なおさら気を付けてください。チームのメンバーはいつもあなたを見ています。

初期研修医の心得7 先輩の意見に流されない

先輩医師から多くのアドバイスをもらうと思います。しかし、それをうのみにしてはいけません。先輩医師たちは「自分の人生は良かったから真似したらいい」としか言いません。

皆さんが目の前の課題をきちんと一つずつこなしていき、そのためにしっかり決断した方が、絶対に皆さんの人生はうまくいきます。これが僕から本当に伝えたいメッセージです。これは僕にも当てはまることです。僕と同じ人生なんて絶対に面白くありません。あなたが迷った挙句に決めた進路こそ、正しい道なのです。