総合内科のキャリアと魅力とは? 徳田安春先生らが講演―第1回キャリアデザインセミナー

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総合内科のキャリアと魅力とは? 徳田安春先生らが講演―第1回キャリアデザインセミナー

研修医の間でも「将来開業しやすそう」、「これから必要とされそう」といわれ、注目を集める総合内科。そんな総合内科医のキャリアについて学ぼうと、6月8日に東京都内で開かれたセミナー「レジデント これだけ知っとけ キャリアと臨床推論 ~総合内科編~」(主催=研修医・医学生ネット)に研修医、医学生らが集まりました。
ゲストは、徳田安春先生(地域医療機能推進機構本部 研修センター長)と2名の若手医師。ゲストによる熱のこもった講演に、参加者からは「非常に実践的な話を聞けた」、「先生方の熱いパッションが伝わってきて、自分の将来を考えるきっかけになった」、「楽しそうに働いている医師を見られたのは貴重な経験」などの声が寄せられました。

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総合内科の魅力は年齢・場所を問わず積めるキャリア

セミナー冒頭では、徳田先生が総合内科医の魅力について講演。「これからは多臓器に病気を抱えた高齢者が増え、総合的なアプローチが必要になってくる。全身を診ながら治療する総合内科医の役割も増してきます」と語りました。

また、手技よりも問診や診断のスキルを強く求められる総合内科は、医師自身が高齢になっても現場で働くことができるほか、都市部や地方を問わずニーズが高く、継続的にキャリアを積める点をメリットとして強調しました。

このほか、キャリアを歩む上で大切なことは、「良いメンターとめぐり合うこと」と徳田先生。「どうやったら良いメンターとめぐり会えるか」という会場からの質問には、「周囲の指導医や後期研修医、同じ領域で活躍している他院の医師がメンターになりうる」と説明し、相談しやすい人を積極的に探し出すことの重要性を強調しました。そして他院の医師にアプローチする一例として、徳田先生の勉強会に足繁く通った若手医師の熱意に応え、徳田先生が徹底的に指導した話も紹介しました。

徳田安春 先生

地域医療機能推進機構本部
研修センター長
徳田安春 先生

若手医師が総合内科に進んだ理由は?

また、医師5年目の鎌田一宏先生(筑波メディカルセンター病院 感染症内科)は、自身のキャリアの原点に、医療機器などに乏しいアフリカを旅行した経験があると説明。「聴診器1本でどこでも対応できる医師になりたい」と考えるようになったと語りました。そして参加者に向けて、「医師としてのゴールを強くイメージして働いてほしい」とエールを送りました。

医師4年目の鈴木智晴先生(筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 総合病院 水戸協同病院)も、自身が総合内科医を目指すことになったエピソードを紹介。徳田先生の指導で臨床実習を行った際に、先輩医師たちの診察技術の高さに憧れた経験を披露しました。

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臨床推論はリスク回避にも

セミナーの最後には、徳田先生が「明日から役立つ臨床推論」をテーマに講演。日本の医療訴訟の約30%が「診断の見逃しや遅れ」を原因としたものだとするデータを示しながら、臨床推論の重要性を強調しました。そして、バイアスを避けながら思考する方法を、いくつかの事例を挙げながら解説しました。

セミナーの詳しい内容は、これから複数回に分けて掲載していく予定です。