徳田安春先生が総合内科を選んだワケ 総合内科の魅力とキャリア vol.1【総合内科・徳田安春先生】

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徳田安春先生が総合内科を選んだワケ 総合内科の魅力とキャリア vol.1【総合内科・徳田安春先生】

すべての研修医・医学生にとって共通の悩みである「専門科選択」―、第一線で活躍している先輩医師はどのようにしたのでしょうか。数々のメディアで総合内科について情報発信し、NHK「総合診療医ドクターG」でもおなじみの徳田安春先生(独立行政法人地域医療機能推進機構本部研修センター長)が、自身のキャリアと総合内科の魅力を紹介します。

*この内容は、2014年6月に行われたセミナー「レジデント これだけ知っとけ キャリアと臨床推論 ~総合内科編~」の講演内容を編集・一部改変したものです。

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沖縄から全国へ

私は沖縄生まれ、沖縄育ちで、大学、研修、その後の沖縄県立中部病院での勤務までを沖縄で過ごしました。

沖縄県立中部病院では、総合内科を立ち上げたり、臨床研究を行ったりしました。医学生時代には総合内科に行く考えはなかったのですが、それについては後ほど説明します。

2006年からは本格的に臨床研究に取り組むため、聖路加国際病院に移り、聖ルカ・ライフサイエンス研究所の副センター長を務めました。そして2009年からの5年間は、民間病院内にサテライトキャンパスを設置するという、筑波大学が行った国立大学初のプロジェクトに携わり、水戸地域医療教育センターを立ち上げました。

今年からは、政府関連機関が初めて地域医療・総合診療を全国展開するということで、地域医療機能推進機構(JCHO)でのプロジェクトに参加しています。

総合内科こそ、臨床医学のコア

医学も内科も、英語では「MEDICINE」と呼びます。同じ言葉で表すのは偶然ではありません。内科こそ医学のコア部分だからなのです。研修医が進路にかかわらず、初期研修2年間のうち半分は内科を回らないといけないのも、内科がコアだからです。

さらに、臨床医学のコアである内科の中で、最も中心的な役割を担っているのが総合内科です。なぜでしょうか。そもそも「MEDICINE」とは、一つの臓器にのみ特化するのではなく、全ての臓器のことを考えながら全人的に医療を施すのがあるべき姿であり、総合内科はまさしくこれを実践しているからなのです。臨床医学のど真ん中にかかわっているということは、総合内科医のやりがいの一つですね。

気を付けなければいけないのは、総合内科は単体で力を発揮するわけでなく、循環器内科や腎臓内科、リウマチ科などと連携して治療に当たることで初めて、良い医療を実現できるということです。最善の医療を実現する連携の中心メンバーが、総合内科医になるわけです。

≫ 総合内科がますます求められる時代が来る?総合内科の魅力とキャリアVOL2に続きます

徳田安春

地域医療機能推進機構本部
研修センター長
徳田安春 先生