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50歳過ぎても医師が研鑽を続ける理由―医師の自己研鑽vol.3【50代以降編】


2021年3月23日
記事KV

キャリア形成や子育てがひと段落し、第二の人生も考え始める50代以降。いつ医師を引退するかは個人差があり、年齢を重ねても自己研鑽を続ける人は多くいます。今回は自己研鑽をテーマにしたアンケート(※)から50~70代の医師421名の回答を抜き出し、ベテラン医師の自己研鑽の実態をお伝えします。

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50代以降も専門科の学習は継続

50代以降が取り組んでいる自己研鑽の内容は「専門科の診療に関する学習」(71.7%)を筆頭に、「専門科以外の診療に関する学習」(58.4%)、「セミナー・講習(受講側)」(39.2%)が上位となりました。「専門科の診療に関する学習」がトップなのは20~30代、40代も同様で、年代問わず、学習を続けていることがわかりました。

グラフ1
図1:自己研鑽で取り組んでいること(50代以降の医師421名の複数回答)

自己研鑽に取り組む理由は、以下のような回答がありました。自身の専門科に限らず、幅広い領域で自己研鑽に取り組んでいる人が多いようです。

  1. 退職後は専門外の診療も行う可能性があるため、機会があれば、できるだけ専門外の勉強もしている(男性/神経内科)
  2. 専門分野、非専門分野にかかわらず、積極的にセミナー、学会に参加し、研鑽を積む中で専門医を維持しています(男性/内科)
  3. 患者の救命に必要。師がずっと行っていたのを見ていたため、なんとなく習慣になっている(男性/放射線科)
  4. 30~40歳は地域でのんびり診療していたが、諸事情で都市部急性期病院に戻ってきてしまった。送る側から受ける側に代わったので、相応の知識は必要となった。特に研修医指導も行っており、生半可なことは言えない。知識をつけるついでに資格取得、研究にも手を付けた(男性/内科)
  5. 開業して暇になったから。またあまりにも経営や税金、労務のことを知らな過ぎたため(男性/内科)

基本は無理なく、中には新たな挑戦も?

続いて、自己研鑽にかける時間や費用、自己研鑽に取り組むタイミングはどうでしょうか。

まず、自己研鑽の時間は1週間あたり「1~5時間未満」が最多で39.2%、続いて「5~10時間未満」(26.1%)、「1時間未満」(17.8%)でした。40代同様に、自身に無理のない程度で自己研鑽に励む人が多いようです。


グラフ1
図2:1週間あたりの自己研鑽時間(50代以降の医師421名の回答)

費用は「5,000円未満」(45.8%)、「5,000~1万円未満」(23.0%)で68.8%と、50代以降もそれほどお金をかけていない人が多いことがわかりました。ただし、40代と比べると1万円以上かける人の割合が9.2ポイントほど増えているため、50代以降に新たな挑戦を始める人もいるのかもしれません。

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図3:1カ月あたりの自己研鑽費用(50代以降の医師421名の回答)

自己研鑽を行うタイミングは「空き時間」(42.8%)、「勤務時間後」(40.6%)が上位となりました。50代以降になると、体力面で当直なしの勤務希望者が増える傾向にあるため、「当直中」は8.1%と、20~30代の26.5%、40代の18.4%に比べてかなり少なくなっています。

グラフ1
図4:自己研鑽に取り組むタイミング(50代以降の医師421名の複数回答)

50代以降は自己研鑽の実務メリットを実感

最後に、自己研鑽に取り組んで良かったことは「新たな知識・スキルが身に付いた」が半数以上の55.8%でした。20~30代、40代も同様にこの項目が1位でしたが、50代以降になっても知識・スキルをアップデートし続けていることがわかる結果となりました。

次点で「仕事の質が高まった」(40.4%)、「仕事の幅が広がった」(35.4%)となっており、50代以降の自己研鑽はこれまでの積み重ねもあり、実務でのメリットも享受できているようです。

グラフ1
図5:自己研鑽に取り組んで良かったこと(50代以降の医師421名の複数回答)

自己研鑽に取り組んでいて良かったエピソードには、自然と人脈が広がり、選択肢が増えたことをメリットに挙げる人が多い印象でした。

  1. 廊下で会うたびに定例の挨拶以外の言葉をかけていただけるようになった(男性/麻酔科)
  2. 少々困難と思えることでも、依頼された仕事は断らないことで、次の依頼が来ます。それを重ねることで信用ができるとともに、知識技術も向上し、業績も増えます(男性/麻酔科)
  3. 人脈が広くなり、他業種との連携ができるようになった(男性/外科)
  4. 25年前は、断片的かつ分かりづらい医学書が多く、知識習得には無駄な労力がついて回った。最近の本は、わかりやすく、また全体を俯瞰して書かれており、疾患・病態理解が非常に進んだ。ネットからの情報も同様。ネット普及による恩恵を最も実感している世代だと思う(男性/内科)
  5. 職場を変えたいと思った時に選択肢が複数あり、精神的に追い詰められずに済んだ(女性/精神科)

一方で、年齢を重ねるにつれて、自己研鑽につらさを感じる時もあるようです。

  1. 毎週、世界で出版された関連論文全て(もちろん抄録)に目を通すことをこの25年間休まず続けてきましたが、体調や予定によっては間に合わないと感じることがあります。時間がないときは辛いですね。あとは老化との闘いが辛く思われます。いつまでできるかな、というのが今の懸念です(男性/脳神経内科)
  2. ぎっくり腰をして、椅子に長く座れなくて論文が書けなかった。治ってからも、集中力が続かず、だらけた生活から元へ戻すのに時間が掛かった(男性/内科)
  3. 64歳での総合内科専門医試験の受験、1日5時間は勉強した(男性/内科)

今回のアンケートからは50代以降も変わらず自己研鑽を続け、更なる高みを目指す医師が多いとわかりました。また自己研鑽を自身の健康法に位置付け、生活にメリハリがついている方もいるようです。

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