医師や医学生が病院の内部や診療の様子を見学し、就職するか否かを検討する「病院見学」。求人票を見ただけ、評判を伝え聞いただけではわからない現場の雰囲気や他のスタッフの様子など実情を知ることで、入職後のミスマッチを減らす効果があります。
医学生の場合、夏休みや春休み、ゴールデンウィークといった大型連休中に臨床研修病院を見学し、初期研修先決定の参考とすることが一般的。中途転職活動中の医師の場合は、面接時に病院見学を行う傾向があり、科目によっては外来風景や手術現場を見学したり、実務に携わってみたりして、診療方針をすり合わせることがあります。入職前に医療機関の様子を知られる貴重な機会となるため、存分に活用しておきたい機会です。
一般的に病院見学で医師が確かめる項目は以下の通り。もちろん科目や入職する施設の形態によっても着眼点や重要度は異なりますが、漫然と病院見学に挑むのではなく、チェックポイントを明確にした上で見学することで入職の可否を判断しておきたいところ。救急搬送数や手術件数など、数値化できる部分についてはなるべく数値化して把握かしておくと、現在の職場と客観的に比較することができます。
昨今では病院見学のほか、入職前にスポット・非常勤勤務をして現場スタッフと実際に働く機会をつくっている医療機関も存在します。求人には明示されていないものの、医療機関側に打診すればお試し勤務をさせてもらえる場合もあるので、気になる医療機関があれば掛け合ってみるのも一手。特に在宅医療に初めて挑戦する医師や、転居を伴う勤務など、業務内容や生活スタイルが大きく変わるようなキャリアチェンジを検討する医師については、見学よりも実際に体を動かしてみて自分にフィットするかどうかを確かめることも入職後のミスマッチを防ぐ大きな手段と言えます。