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企画記事 転職ノウハウ

コロナ禍で年収相場が上がった科・下がった科―求人天気予報vol.3


2020年7月22日(エムスリーキャリア編集部)
記事KV

 新型コロナウイルス感染症が全国的に流行した2020年4~6月。医療機関の運営も大きな打撃を受けていますが、医師の給与への影響はどうなのでしょうか。編集部では、エムスリーキャリアに寄せられた1万6千件以上の求人データをもとに各診療科の想定年収(下限)を集計。1~3月のデータと比較し、想定年収のアップダウンをまとめました。コロナ禍においても年収のボトムラインが上がった診療科とは?


中には20万円以上底上げされた診療科も


各診療科の下限年収(常勤医)を2020年1~3月と4~6月で比較したところ、最も上げ幅が大きかったのは「内科系・その他」の+22万円でした。2位は「糖尿病系」が+15万円、3位は放射線系が+11万円と続きます。また、10位の呼吸器系・消化器系・小児・整形外科の4科は増減なしと、全体ではコロナ禍以前の水準を維持している診療科の方が多いことがわかります。コロナ禍が常勤医師の年収へ与える影響は、現時点ではそこまで大きくないと言えるでしょう。

一方で、ランキング後半を見ると、17位タイの外科系・皮膚科系は-16万円、19位の耳鼻咽喉科は-23万円と、下げ幅が大きい診療科も。もし転職をお考えでしたら、まずはエリア内の年収相場を調べてみることをお勧めします。

グラフ1


当直無しはNG? 転職支援コンサルタントが感じた変化


このほか、医師の働き方や医療機関の運営にどのような影響が表れているのでしょうか。エムスリーキャリアで医師の転職支援にあたるコンサルタントに、医師・医療機関と接する中で感じた変化を聞きました。
※()内は担当エリア

Q:コロナ前後で診療科によってニーズの変化はありますか

  1. 採用活動を控える医療機関も出てきていますが、精神科と在宅は以前通りの水準を保っています。精神科は比較的在院日数が長いため、患者の入れ替わりが少なく感染リスクが低いことが影響しているかもしれません(関東)

  2. 全体的にはニーズや年収に大きな変化はありません。医療機関からは「呼吸器、感染症領域の経験がある医師を採用したい」という声が上がるようになっています(関西)

Q:その他、医療機関の採用活動・運営などにはどのような変化を感じますか

  1. 感染防止のため医師のアルバイトを禁止する医療機関も出ています。このため、当直などをアルバイトにお願いしていた医療機関の中には、体制維持が厳しくなるケースも。「これまで常勤医は当直無しOKとしていたけれど、今後の採用では当直必須にせざるを得ない」という声も聞かれます(関西)

  2. 耳鼻科や皮膚科、眼科などのマイナー科と小児科は患者数が減っていると聞きます。特に小児科は受診控えが顕著のようです(関東)

  3. 東京などの都市部に比べるとコロナ禍の影響は小さく、県内在住の医師であれば面接も対面で実施しています(中四国)

全体としては、転職市場に大きな変化はないという声が目立ちました。ただしコロナ禍が長期化すれば、ウェブ面接の導入といった採用活動の変化や、経営不振による採用控えなど、医師の転職への影響もより大きくなるかもしれません。

【調査概要】
2020年1月~2020年6月にm3.comCAREERおよびエムスリーキャリアエージェントに掲載されていた求人約16,000件の情報を統計処理