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企画記事 転職ノウハウ

地方で働くメリット・デメリットとは


2016年9月14日(エムスリーキャリア編集部)

 医師が都市部から地方へと転職する場合、労働環境はもちろん、ライフスタイルまでもが大きく変わりえます。そのため、着任前に地方勤務の一長一短を理解しておくことはミスマッチを防ぐ大切なポイントだと言えるでしょう。今回は、診療体制・待遇・生活環境の3点を中心に、地方勤務のメリット・デメリットについて解説します(なお本記事では、人口10万人以下で、県庁まで50km以上離れている市区町村を“地方”と位置づけています)。

診療体制のメリット・デメリット

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 地方の医療機関の大きな特徴は、医師一人ひとりの診療範囲が広いこと。もちろん地域差はありますが、急性期から慢性期まで1人の医師が対応することも多く、「それまで培ってきたゼネラリストとしての診療スキルを活かしたい」「地域のために働きたい」という医師にとっては、自分の力を存分に発揮できる環境とも言えます。医療・介護施設の数が少ない地方では、急性期から在宅医療、介護といった一連の流れを把握しやすく、自分の存在意義を強く認識できるというのもやりがいにつながるようです。

 上記の裏返しとも言えますが、地方で働く上で懸念するのが、一人あたりの業務負担です。「ある程度一人で診療を完結させなければならない」というプレッシャーは、医師が少ない地域ほど大きく、「自分以外に頼れる相手がいない」「患者を基幹病院に転送したり、コンサルトしたりできる環境が整っていない」「何から何まで完璧を求められると疲弊してしまう」といった切実な声も聞かれます。

 日本全体を見渡すと、医師の自己犠牲を伴うような努力によって地域医療が支えられているという実情は、今もなお否定できません。ただ、2004年の新医師臨床研修制度の開始以降、人材確保のために医師に対するバックアップ体制などを充実させてきた医療機関も地方には存在します。転職する時には、医師の負担軽減にどの程度、経営者や行政が理解を示すか確かめておき、もし不安が残るようであれば、雇用時の契約書に、待遇改善の努力を図ってもらえるよう盛り込んでおくことも一つの方法でしょう。

待遇面でのメリット・デメリット

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 前述したように、大きなプレッシャーの中で働かざるを得ない医療機関もありますが、その分、年収などの待遇については、都市部より地方の方が好条件になりやすい傾向にあります。
科目や経験年数などによっても変動はありますが、医師紹介会社のコンサルタントによると、年収1800~2000万円以上といった高収入も実現しやすい傾向。自治体から移住者対応への補助金を受けているケースもあり、住宅手当やマイカー支給など、生活面へのサポートを充実させている医療機関も多いそうです。

 ただ、一方で注意しておきたいのは、高待遇で赴任するほど、医師に対する期待も高まる傾向にあること。夜間・土日勤務や、連日のオンコール待機を求められるなど、大きな負荷を要求される場合もあります。
「診療体制のメリット・デメリット」で挙げたように、医療機関・行政・住民側の意識のありようによっても労働負荷は大きく変わってくるため、入職前の確認がとても大切になります。気になる医療機関にはスポットアルバイトで試しに働いてみて、現場の雰囲気を体験してみても良いかもしれません。

生活環境でのメリット・デメリット

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 「食事がおいしい」「物価が安い」「自然の多い環境でのびのびと暮らせる」「(スキーやゴルフといった)レジャースポーツを楽しみたい」など、地方の生活環境に魅力を覚える医師もいます。また、ゆかりのない地方への赴任は、“現地になじめるかどうか”も大切な要素ですが、地方では宴会などでの交流がさかんな傾向。人間関係が濃密な分、雰囲気に合う医療機関を探しだせれば、地域にもなじんでいきやすいようです。医療機関の中には面接とセットで食事会を実施し、雰囲気が合いそうかどうかを確かめ合う機会をつくるところもあります。

 上記のように自然に恵まれた環境を支持する声も根強い一方、デメリットと言えるのはアクセスの悪さ。「学会などへ参加しづらく、最新の医学についていけなくなる」「地域に孤立してしまうのでは」「車社会なので慣れていないと大変」「商業施設が限られているので患者さんと出会う」などといった声が聞かれます。
実際に地方に勤務している医師からは、「インターネットが充実しているので買い物や情報収集については思ったより不自由がなかった」などの声もあがっていますが、都市部と比べ、地方は都市機能の充実度で劣ってしまいがち。家族の住み心地や子どもの就学環境なども考慮して、単身赴任で地方へ赴任する場合もあります。このように、ご家族のライフスタイルとの親和性も重要ですので、実際に赴任する前にご家族にも足を運んでもらい、地域の様子を知ってもらっても良いでしょう。

メリット・デメリットには地域差も 入職前に入念な確認を

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 以上のように、一長一短がかなりハッキリしているのが地方勤務の特徴。ただし、それぞれのメリット・デメリットの度合いは地域や医療機関によって大きな差があります。その上、それぞれの項目をどこまで決定的な要因と見るかは個々人の価値観によっても異なります。転職先を決める際は、メリット・デメリットの両面を意識しながらも、実際に足を運ぶなどして生の情報を仕入れてくることが大切だと言えるでしょう。