夫の転職や起業を妻が反対する「嫁ブロック」。ホワイトカラーの転職市場でにわかに話題になった業界用語ですが、医師の転職には特有の「嫁ブロック」が存在します。パートナーと目線を合わせながら自身のキャリアを充実させていくためのポイントとは、何なのでしょうか。
医師の転職市場において「嫁ブロック」が起こるのは、たとえば以下のような場面。
医療機関は場所によって年収や労働日数、忙しさも大きく異なる分、転職を通じてライフスタイルが大きく変化することもあり、それが「嫁ブロック」につながることがあると言えそうです。内定が出たあとにご家族の反対にあった結果、入職が取りやめになることもあり、パートナーの応援を受けられるかどうかは、転職を成功させる大きなポイントとも言えます。
【嫁ブロックに陥る例】
など
どうすれば、パートナーの協力を得ながら転職を進められるのでしょうか。
ポイントの一つは、転職を検討する際になるべく早く、ご家族のニーズを見極めておくこと。転職時に意外な落とし穴とも言えるのが、「思っていた以上に家族が年収にこだわっていた」「居住地にこだわりはないと思っていたが、転居に難色を示されてしまった」など、家族の意向を読み違えていたケースです。「妻は収入を重視している」と転職を検討したものの、本人に聞いてみると「収入より家庭での時間を大切にして欲しい」と考えていたことが分かり、転職の希望条件が180度変わったりすることもあります。特に医師は忙しく、家族との会話の時間をとるのが難しいことがこうした傾向に拍車をかけている面もあるかもしれません。「家族はきっとこう考えているはず」と決めつけるのではなく、ご家族が仕事・家庭に対して期待していることを正確に把握した上で、なぜ転職に踏み切ろうと思っているのか、どんなキャリアを実現したいのか伝えることで、協力を得られる可能性は高まります。
なお医療機関の中には、帰省手当や住宅補助などを通じて、医師の家族へのサポートに力を入れているところも。また、多くの場合、採用担当者に問い合わせれば「他の医師の家族はどのように生活しているか」「その地域の教育体制はどうなっているか」など、実情ベースで教えてくれるので、面接時や求人問い合わせ時に確認しておくと、ご家族の不安を軽減できる条件や情報を引き出せるかもしれません。