“ありえない”ドラマよりも、現実に即したものを
「どんな題材の医療ドラマなら見てみたいか」という質問に対して、多種多様な答えが寄せられ、医療ドラマへの期待感がうかがえる結果となりました。救急医療や終末期医療と大きなテーマを挙げる声の他、自身の診療科やマイナー科、医師以外を主人公に求める声も集まりました。
一方で、「できるだけ現場に忠実なものがみたい」、「嘘っぽい演出はいらない」「海外の医療ドラマのようにもう少しリアルなものが観たい」というように、リアリティを求める声も一定数ありました。次に、具体的なコメントを年代別にご紹介します。
20代~40代
- 医療と国民皆保険とを焦点にあてたドラマがあれば面白そうです。日本の医療と保険制度の闇を明るみに出して欲しいです。(30代/泌尿器科)
- 産業医、保健所医師のドラマ。まだこれらのテーマのドラマを見たことがない。(30代/精神科)
- ありえないようなドラマではなく、現実におきていることを素直に描いてくれるドラマ。(40代/新生児科)
- 感染症科の医師たちの日常。今のCOVID-19が流行る前からリアルに描いて、今回のCOVID-19流行期へと連続的に繋がっていく、人間ドラマ。かぎりなくノンフィクションに近くなりそうで、賛否両論出てきそうですが、現実の世界での感染症専門医たちの、それ以外の科の普通な日常(入院患者の主治医となって日々働く姿)とは違った、コンサルテーションや感染対策に関する、病院上層部や現場の看護師さんからもなかなか理解されないけど、陽の目はなかなか見ないけど世の中には絶対必要なんだって信念で粘り強く交渉して、目標を達成していく姿を描いて欲しいです。(40代/脳神経内科)
- 「地域医療の現状を知らしめるドラマ。地味だが、在宅医療や地域連携をネタにしたもの。大病院での立派な手術とかもいいが、それよりも現場は色々あることを知ってほしい。(40代/救急医学科)
50代
- 病院薬剤師が主人公のドラマはすでに話題になっているが、作業療法士など、コメディカルを主人公にしたドラマ。医療は医者だけのものではなくなっているということを自然に多くの人に知ってもらえると思うから。(小児科)
- ドジだけど、ここぞというときは、すごい力を発揮できる、地味で人のいいドクター。出世とか考えず、常に目の前の患者に一生懸命。あと、頑張ったけど助からない人もいるし、主人公が病で死んでしまってもいい。今のドラマは、人が当たり前に助かりすぎ!!!!!(泌尿器科)
- 医学生から研修医、腕のいい外科医に成長していく過程で、ライバルやナース、患者、その家族と渡り合っていく、外科医版の島耕作のようなドラマ。(整形外科)
- 本居宣長の生涯。(小児科)
60代
- 医者がスターではない、苦悩するパターン。(外科)
- 外科系が主人公である事が多いので、内科系の話を。(小児科)
- 赤ひげっぽいやつ。ほっこりしたい。(内科)
- 日本医師会にまつわるドラマ。(糖尿病科)
- 在宅介護 明日は我が身・・・。(内科)
- 終末期、療養病棟、誤嚥性肺炎で食事が入らず末期を看取る。患者様の家族に現状を理解してほしい。病棟から退院して施設に行く流れを理解できないご家族が多すぎる。一度入院すると死ぬまで病院に入院させて欲しいというご家族が増えて困っている。自宅に引き取らないご家族が多い。現在の一般的な老人たちの医療背景や介護度など教育的な医療ドラマがあれば大変助かる。(内科)
70代
- 終末期を家で過ごす患者を取り巻くドラマ。(内科)
- 地域連携室やNSWなど医療事務系の医療を支えている人たちにスポットライトを当てたドラマ。(放射線科)
- 現実離れしたストーリーの物語(麻酔科)
医療現場の現実、ときにフィクションならではの設定で非現実を描く、医療ドラマ。m3.com会員の支持を集めたのは、特にシリーズ物が多く、いずれもリアリティのある内容、設定を評価する声が一定数集まりました。中には、「医療ドラマと現実が同じだと考えている患者さんもいるので、医療現場の真実を伝えるようなドラマがあるとうれしい」といった声もありました。今後もおそらく、新たな医療ドラマが生まれるかと思いますが、どんな内容で視聴者を魅了してくれるのか楽しみです。