急性期病院での働き方
(1)業務の特徴
急性期病棟では、高度急性期に次いで高密度な治療を提供します。地域で存分に活躍したいという思いを持った医師にとっては活躍の場となり得ますが、特に医師不足が深刻な地域では多忙になりがちで、2000年代には、こうした状況を嫌った医師が開業に踏み切る“立ち去り型サボタージュ”が社会問題になりました。
勤務環境・待遇は経営主体や地域によって大きく異なるものの、急性期の領域での生き残りを懸けて最新医療機器を導入したり、医師の定着のために待遇改善を図ったりする病院も多く、しっかり情報収集すれば自分に合った勤務環境を見つけられる可能性は高まります。
(2)求められる能力
高度急性期と同様、高い判断力とハイレベルな医療知識と共に、厳しい業務に耐えられるだけの気力と体力が求められます。
将来的にどのような病棟が急性期医療を担うのか、明確な基準は2016年9月現在、示されていませんが、国はこれまで7対1と10対1入院基本料を算定する病棟を急性期とみなしてきました。これらの病院の多くは、診断群分類ごとに決められた診療報酬を1日当たりの定額払いにするDPC/PDPSに参入しています。これに加え、近年では入院患者の在宅復帰支援やほかの病院との連携に伴う業務の重要性が高まっており、勤務医にも医療の効率化や病棟全体をマネジメントする視点が求められつつあります。
また、中小規模の急性期病院ではかかりつけ医としての役割のウエートが高まっていて、勤務医には患者や家族とのコミュニケーション能力が求められます。