慢性期病院での働き方
(1)業務の特徴
比較的病状が安定した患者を中心に受け入れるだけに、急性期病院などに比べてゆったりと勤務できるケースが多いとされます。ただ、介護施設と差別化するため、国は医療必要度の高い重症患者の受け入れにシフトする政策を打ち出しており、業務量は今後、増えるかもしれません。全国を見渡すと、急性期病院に引けを取らない体制を整える慢性期病院もあります。2014年度の診療報酬改定で入院患者への在宅復帰支援が求められるなど、業務の多様化も進んでいます。
ほかの医療機能と同様、慢性期医療の提供を担う病棟の明確な基準は示されていませんが(2016年9月現在)、看護スタッフの配置を20対1以上にする療養病棟入院基本料1の算定病棟などが該当するとみられます。
(2)求められる能力
診療報酬による国の誘導を受けて、慢性期病棟では医療必要度の高い入院患者の受け入れに軸足をシフトせざるを得ず、業務量が増える傾向です。入院患者の在宅復帰支援を円滑に進めて成果を上げるには、ほかの医療機関や介護施設・事業所との連携を強化するなど緻密な病棟マネジメント能力が必要になりそうです。