【研修病院選び方 御法度・第1回】「研修病院選び方 御法度」の原則! | m3.com 研修病院ナビ

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「研修病院選び方御法度」の原則!

 今から数年前、僕がまだ研修医だった時代に1冊の本を出版させてもらった。内容を一言でいうと「これでいいのか日本の初期研修っ!」ってことだ。あれから幾星霜、多くの批判を受けるかと思って待ち構えていたら、意外なことに反響が良いではないか。あれ?…みんな同じことを感じていたのですねという、幾分拍子抜けしつつも、味方が多いことに嬉しくなったものだ。そんな中、若手医師教育の第一人者である福井大学の寺澤秀一先生に師事させていただいて薫陶を受け、広く世の中を見せてもらうことができた。

 まだ研修医だったときには見えていなかったこともあれば、指導する側になってもやっぱりそうだったか!という事実がいくつもあり、まだまだ言い足りないことが山ほどある。どれもこれも学生時代、どこの病院で研修しようかと悩みに悩んでいた自分に知らせてやりたいことばかり。どこかで、またそんな話をすることができないかな?と思って機会を伺っていたら「m3.com研修病院ナビ上で御法度に関するコンテンツを担当しませんか?」と、突然ご招待をいただいたわけだ。彼らは医者でもないのに初期研修に関する本を読んでくれたそうな。まぁ、なんて奇特なヒトタチ…、と思いつつも機会を与えてくれたことに感謝しながら書いていきたいと思う。

研修医 イメージ

研修病院選び方 御法度の読み方

 今回は第1回となるので、まずはこのコンテンツの読み方について触れておきたい。読者諸氏以下の点に注意して欲しい。

  • このコンテンツは研修病院探しに悩める学生が対象です。ごめんなさい。
  • 少々過激なことを書いてしまうかもしれないので病院関係者は読んではいけないのです。ごめんなさい。
  • 病院の裏側や痛いところをついつい突くことがあるかもしれないが、少しでも良い研修が受けられる病院を多くしようと思ってのことであって、決して悪口ではないことを約束したい。
  • 少しでも研修病院を良くしようと思って読んでしまった病院関係者の方は、過激な内容に興奮しすぎて心室細動を起こしてしまってもよいように近くにAEDを置いておくことをオススメする。誰かが素早く電極を適切に貼ってボタンを押してくれることを願おう。
  • 研修病院選びの全ての御法度に一切抵触しない病院など未だかつてない。大いに悩める材料にしてほしい。比較相対の世の中に絶対的存在の病院などないのだ。

 第1回から「御法度のない病院なんてない」といきなり書いてしまい暗雲が立ち込めてしまったかもしれないが、決してそんなことはない。どれほど御法度に触れていても、たった一つのことだけしっかりしている研修病院なら自信を持ってオススメできる。おそらくそこが研修にとって最も重要で、最も無視されがちなところだと考えている。そこを重要視して研修システムを構築している病院なら、どんなに給料が低く症例がなく指導医が問題児だらけでも…大丈夫だと言うことができる。そこがしっかりしている病院であれば、必ず自浄作用が働くと考えるからである。

 では「そこ」とは何のことであろうか。私が言いたい「そこ」とは、その病院は“あなたの未来を示しているか?”という1点だ。は?!何を言ってんだろうと思ったアナタも聞いてほしい。

未来を示す

その病院は”あなたの未来を示しているか?”

 医学部の5年生、6年生なら、これから卒業試験や国家試験を受験し知識をギッシリ身に付けるわけだが、ひとたび医師免許を取得したところで何もできないのが現実だ。いや、これが本当になんにもできない。自分で驚くぐらいになにもできないし役に立たない。学生時代の病院実習と自分が患者の担当になり医師として対峙するのとは天と地ほど違う。そういった状況で研修が“始まる”というのは、いきなり大海原に放り投げられて「泳げ!」と言われるようなものだ。

 そうなったらどうしたらよいのだろう?周りに見えるのは水面しかない。何にも見えないのだ。立泳ぎ(大学での講義)や泳ぎ方(実習前のOSCE)のレクチャーを受けたかもしれないが、時々刻々と変化する波のないプールで泳ぐのと、実際の海で泳ぐのとは大きく違う。それなのにいきなり「泳げ!」と言われるのが現在の医師研修だ。こんな理不尽なことはない。

荒波

 そんな人に対してまず教えてあげなければならないのは、一体なんだろうか。より遠くまで泳ぐための泳ぎ方なのだろうか。他の人よりも速く泳ぐ方法なのだろうか。

 答えはいずれもNo!だろう。それはなぜか。どれだけ速く長く泳ぐことができても、体力には必ず限界がある。いつまでも浮いてはいられない。上手な泳ぎ方をいくら教えても、それだけではどこにも辿りつけず溺水してしまう可能性が高い。まず教えなければならないのは「あそこに陸地があるんだよ!」という泳ぐ方角=ゴールではないだろうか。

 医学生は残念ながら臨床の現場そのものの経験が乏しいため、自分の未来を描こうにも、分からないことが多すぎる。初期研修の2年間が終われば、あなたはこんなお医者さんになれますよ!と示してくれる病院、未来を約束してくれる病院をまず探さなければならない。それは一体どういうことなのか、これから考えていこう。


第2回に続く

著者略歴

安藤 裕貴

所属:名古屋掖済会病院救命救急センター(2016年11月現在)

「人の命は地球よりも重い」そんな命を支える人になりたいと、医学を志した初心を忘れられず京都大学工学部中退。再受験にて富山大学医学部入学。平成20年、同卒業。初期研修中に「研修病院選び方御法度」(三輪書店)を出版。救急の現場で研修医指導をしながら、よりよい研修とは何か探り続ける。

安藤医師

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