【研修病院選び方 御法度・第14回】担当事務さんからその病院の研修レベルを見抜く! | m3.com 研修病院ナビ

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担当事務さんからその病院の研修レベルを見抜く!

研修病院裏方ご法度

 さて、今回は研修の裏方に目を向けてみたいと思う。研修医が日々滞り無く円滑に研修をしていくには、その裏方である研修担当事務さんの支えが必要だ。…いや、必須だ!担当事務さんの能力が高い病院ほど、よい研修ができる!と言ってもよいくらいだ。

 

担当事務さんの仕事

 事務の仕事というのは9時~17時で出勤してお茶を飲みながら書類を作成するのではない。デキる事務(デキ事務)さんは見学前に分かる。病院見学を申し込むと担当事務さんからメールなどで連絡があるが、その反応の速度である程度分かってしまう。研修担当事務さんの大きな仕事の一つが見学生への対応だ。見学希望の学生が来ると分かると、事務部屋のホワイトボードに予定が書き込まれる。見学のコースは既にある程度決まっており、見学生の一日の行動目標も示されている。特によく考えられている見学コースでは、施設を見て回るだけでなく、診療に参加する体験型であることが多い。たとえばCPA(心肺停止)患者が搬送されたら、院内のどこで見学していても呼び出して指導医や研修医たちと一緒に蘇生に参加したり、できる範囲で診察や手技も行ってもらい、現場の医師からフィードバックを受けられるといった、実際に研修が始まったときの風景を想像しやすいようにしてある。見学の日にちも院内で指導に熱い医師が確実に勤務している日や、勉強会が行われる日をあえて指定してくる。そういった院内医師の勤務状況や行事にも敏感なのだ。

診療科まで把握している

 デキ事務さんは研修医の愚痴をお菓子でも出しながらよく聞いてくれる。オモテには立たないけれども、常に研修医の味方になってくれているのだ。そのため事務さんはどの診療科の研修が大変なのか、どの先生が指導熱心なのか、あるいはその逆の“問題指導医”なのかをよく知っている。研修医の研修に対する愚痴のほとんどは人間関係だと言われている。研修医からの愚痴を聞いているうちに自ずと分かってくるのが院内の人間関係であり、各診療科での研修の様子なのだ。そういった声を吸収して研修センター長の認識に乗るように上手に届けるのは、実は非常にスキルが要ることだ。デキ事務さんと言えど直接研修の内容や指導に口を出すということはない。むしろデキる人ならそんなことはしない。研修医から引き出した声の中で改善できる点があれば、それをまとめて研修センター長に報告する。そういったオモテに出ない地道なところから少しずつ研修医が安全に効率よく研修できるようにと改良が重ねられていくことにもなる。

交渉人デキ事務!

 デキ事務さんの仕事には院外講師の招待や当日までのやり取りがある。有名なドクターを国内や、ときには海外から招待するとき、そのやり取りを担うのがデキ事務さんの仕事である。最初はドクター同士で交渉していても、最終的には交通や宿泊など金銭面のことが絡むため、どうしても事務を通さないといけなくなる。院外から招待する講師は好評であれば毎年同じ時期に同じ人が招待されるようになるため、超有名ドクターに一番親しいのがデキ事務さんだったというケースもあるようだ。中には海外のドクターと英語で交渉し、来院した際の対応も英語で全てやってくれるスーパーデキ事務さんもいる。当然そんな病院ではそういった勉強会の機会は多くなってくる。

 そんなデキ事務さんは院内でも頼りになる存在であることが多く一目置かれたりしている。見学に行った際の対応でそこまで見抜けるようになるといいものだ。書類の作成やホームページの更新、写真撮影だけが担当事務さんの仕事ではない。ひょっとすると研修医より研修のことを冷静に客観的に見ているのが担当事務さんかもしれないのだ。担当事務さんの教育に対する姿勢や熱意によって、研修は良くも悪くもなるということを知っておいて欲しい。

ポイントの整理

  • (1)デキ事務さんを見抜く目を持つべし
  • (2)病院見学のコース設定がどんな作りになっているかを見よ
  • (3)勉強会の多さを単純にチェックしてみるべし
  • (4)研修医だけでなく担当事務さんにも質問してみよ

著者略歴

安藤 裕貴

所属:名古屋掖済会病院救命救急センター(2016年11月現在)

「人の命は地球よりも重い」そんな命を支える人になりたいと、医学を志した初心を忘れられず京都大学工学部中退。再受験にて富山大学医学部入学。平成20年、同卒業。初期研修中に「研修病院選び方御法度」(三輪書店)を出版。救急の現場で研修医指導をしながら、よりよい研修とは何か探り続ける。

安藤医師

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